船橋北部周辺の紛らわしい蜆蝶 (1) 「ムラサキシジミ」&「ムラサキツバメ」

最近、写真撮影した「シジミチョウ」の仲間のうち、「ムラサキシジミ」は船橋北部周辺ではよく出会う機会があり見慣れていますが、「ムラサキツバメ」を見たのは初めてでした。両者とも薄暗い林縁や林間を素早く飛び回り、そのうえ、大きさと翅模様がよく似ていて、撮影時には「ムラサキシジミ」と別種だとは区別がつきにくいのです。「シジミチョウ」の仲間はよく木や草の葉に止まりますが、ピタリと翅を閉じてしまい。ご機嫌のとき意外はなかなか翅表を見せません。特に「ムラサキツバメ」は最後まで翅表を見せてくれませんでした。


「ムラサキシジミ
いつもの自然散策コースの一つ、小川沿い農道の林縁で数匹の個体に出会いました。盛んに飛んだり、木の葉に止まったりを繰り返していましたが、そのうちの一匹が翅を開いてくれました。
この蝶は雄・雌ともに色模様がよく似ており、細部まで比較しないと区別がつきません。前翅・後翅とも翅表には鮮やかな美しい青色の模様があります。図鑑などの解説では「青色部分の面積が雄は大きく、雌は小さい」とされていますが、必ずしもそうとは言い切れないようです。
成虫の開帳幅(翅を広げたときの寸法)は32〜37mm、活動時期は春から秋、成虫で越冬、幼虫の食草は「アラカシ」など。

※オス
帰宅して画像の細部を確認した結果、青色が鮮やかなことなどから雄だろうと納得しているところです。


※メス
この写真は昨年撮影したものですが、青色が紫がかっていること、細部の特徴などから雌だろうと思っています。


翅の裏側は一目では「ムラサキツバメ」そっくり、尾状突起はありませんが‥‥。



「ムラサキツバメ」
いつもの自然散策コースの一つ(上記とは別コース)、緑地公園で一匹の個体に出会いました。薄暗い林の中を、盛んに飛んだり、草の葉に止まったりを繰り返していました。飛んでいるとき、翅表の青色が目に付き、「あーっ、『ムラサキシジミ』だぁ‥」、と軽い気持ちで写真を撮り始めました。ファインダーを覗いていると「んー?、尾状突起らしいもの?、何か違うぞぉ‥」と気がつきましたが、その時は分からず仕舞い、解答は自宅に帰ってからになってしまいました。
「ムラサキツバメ」は暑い地方に生息する蝶です。以前は北限が近畿あたりまでで、関東地方以北にはいませんでした。しかし、1980年代初期頃から危惧され始めた、地球温暖化や植物栽培・ペット飼いなどの人為の影響で、色々な植物や生物がどんどん北上してきています。今や、この蝶も東北地方まで広がってきているようです。ともあれ、まだ船橋北部周辺では個体数は少ないようで、珍しい蝶と云えるでしょうが‥‥ねぇ。
上記の「ムラサキシジミ」と比較してみると、尾状突起があるので鳥の「ツバメ」の尾翼に例えて「ムラサキツバメ」と名付けられたようです。
成虫の開帳幅は35〜40mm、活動時期は春から秋、成虫で越冬、幼虫の食草は「シリブカガシ」など。


※メス
この写真だけでは雄・雌は分かりませんが、飛んでいる時に前翅表側の青色を確認しています。雄は翅表全体が黒褐色です。止まっているときは翅表を見せてくれません。