“ ぶらり自然観察人 ”  北総の里山  夏から秋へ! ( パート3 )

今日から9月、猛暑は収まらず、東北地方では 「 リンゴ 」 の収穫を間近にして、暑さと水不足のために被害が出始めたとの事。
今日は、大正12年9月1日の “ 関東大震災 ” の発生した日、そして、全国的な防災訓練の日。これまでに体験した地震や自然災害の脅威、私達はどこまで教訓を活かせるのでしょうか?。
私も、何かをしなければ、と、考えるのですが、万能薬を知らないだけに、具体的な行動となると‥‥もうひとつ?。



里山風景 》

「 稲の刈取り 」
台風が来ないうちに、収穫を終わりますように‥‥!。



「 六面地蔵 」
石塔で六角形(または、八角形)の塔身に諸仏や種子(梵字)を彫ったものを “ 石幢(せきどう) ” と呼んでいます。平安時代末期に起こった “ 六地蔵 ” 信仰は、鎌倉時代に入ってから盛んになり、 “ 石幢 ” にも像が彫られるようになりました。
この写真のものは 「 六面地蔵 」 と書かれていましたが、正確には 「 六地蔵石幢 」 と呼ばれているものでしょう。刻銘によれば、“ 文化八辛未歳(1826年)二月吉日 ” とあり、江戸時代後期の建立であることが分かります。この町には、江戸時代の各種石造美術品がたくさんありますが、今までのところ、 「 六地蔵石幢 」 に出会ったのは、この1体だけです。



《 昆虫 》

ビニール紐に絡まった 「 カブトムシ 」 の雄
ケヤキ(欅) 」 の大木の根元で 、「 カブトムシ 」 の雄がビニール紐に絡まって、もがいていました。細く裂けた紐が何重にも角に巻きつき、外れなくなってしまったようです。立派な角と強い力が、反って災いしてしまいました。角の無い雌だったら、このような事にはならないでしょうに‥‥。
人間が作ったもので被害を受けるとは、自然の生物にとっては想定外、早速、救助を始めたのですが、予想以上にきつく、複雑に絡まっていましたので、仕方なくナイフを取り出し、ビニール紐の1本、1本を、丁寧に切り離しました。「 カブトムシ 」 の角に傷つけないよう、神経を使いましたねぇ。


救助が終わり、ホッとしたところで、記念撮影。撮影後は、虫の売人などに見付からないよう、別の木の陰に放してやりました。チョット良い事をした気分に!。



「 コナラ(子楢) 」 の樹液を吸いにやって来た コクワガタ 」 の雌



「 コナラ(子楢) 」 の樹液を吸う サトキマダラヒカゲ
樹液がたくさんあり過ぎるのも、吸い難いようです。



千切れた翅が痛々しい 「 ミドリヒョウモン 」
このような姿になっても、なお、生きようとしています。



飛び疲れて一休み 「 オニヤンマ 」 の雄



真っ赤になった 「 ナツアカネ 」 の雄



美しい翅模様の蛾 「 キマダラコヤガ 」



カメムシ 」 の仲間の中で一番細長い 「 クモヘリカメムシ



何んと云う名の虫? 「 ? 」



蝿の仲間らしいが? 「 ? 」



《 農作物 》

「 オクラ 」 の花
アフリカ東部原産の多年草ですが、日本では1年性の野菜として栽培されています。花は美しので観賞用にもされますが、一日で萎んでしまいます。若い果実を食用にしています。



「 ゴマ(胡麻) 」 の花
エジプト、または、インド原産と考えられている1年草です。古い時代から、種子から油を採るために、広く栽培されてきました。種子には、 「 クロゴマ 」 ・ 「 シロゴマ 」 ・黄色い実の 「 キンゴマ 」 があります。

“ ぶらり自然観察人 ”  北総の里山  夏から秋へ! ( パート2 )

里山風景 》

「 池畔の森 」



アオサギ 」 は池の主



「 水 藻 」



クロメダカ 」 の行進



《 野生植物 》

山野草

「 カノツメソウ(鹿の爪草) 」 の花
山地や丘陵の林の中に生える多年草です。根の形が鹿の爪を連想させることから、名付けられたようです。別名 「 ダケゼリ(岳芹) 」 とも云い、茎の頂部に花弁が内側に巻いた、花火のような、多数の小さな白い花を着けます。地味な花ですが、薄暗い林の中に咲いていると、結構鮮やかに映ります。



キバナアキギリ(黄花秋桐) 」 の花
山地の木陰などに生える多年草で、群生していることが多い。茎は四角形をしており、茎の先に向かって段々に咲いていきます。やっと咲き始めたところですが、満開になるには、もう、暫らくかかるでしょう。



「 シラヤマギク(白山菊) 」 の花
山地の草地などに生える多年草です。丈の高さは1m以上になり、茎の先端に直系2cmほどの花を着けます。



ツリガネニンジン(釣鐘人参) 」 の花
山野に生える多年草です。釣鐘のような形の花を着け、根が 「 チョウセンニンジン(朝鮮人参) 」 に似ているので、この名が付きました。春の若芽は山菜として親しまれていますが、今では希少植物になってきましたので、食べることは差し控えたいものですね。
薬用としては、根を乾燥させ、痰きり・咳の治療に利用します。





「 タカトウダイ(高燈台) 」 の花
山地や丘陵に生える多年草です。春に花を着ける 「 トウダイグサ 」 の仲間ですが、それよりも丈が高くなるので、この名がつきました。茎や葉を切ると白い乳液がでますが、特に害になるようなことは無いようです。



ヤマハッカ(山薄荷) 」 の花
山野の林縁や草地に生える多年草です。秋になると枝をたくさん伸ばし、花を無数に着けますが、今は花をつけ始めたばかりです。



「 ワレモコウ(吾木紅) 」 の花穂
山野の日当たりの良い草地に生える多年草です。枝先に暗紅色の小さな花を、穂状にたくさん着け、上から下に向かって順番に咲かせます。



《 農作物 》

〈 穀 物 〉
全国各地で “ 五穀豊穣 ” を願い、または、感謝のためにとの名目と、信仰も相まって、盛んに祭礼が行われています。しかし、現代人には “ 五穀 ” とは何を指すのか、分からなくなってきているのではないでしょうか?。
ある資料によると、 「 イネ 」 ・ 「 ムギ 」 ・ 「 アワ 」 ・ 「 マメ 」 に 「 キビ 」 または 「 ヒエ 」 を加えたものを、“ 五穀 ” と称する、と、記述されていました。このうち、「 アワ 」 ・ 「 キビ 」 ・ 「 ヒエ 」 は痩せた土地でも育つので、 「 イネ 」 ・ 「 ムギ 」 の育たない所でも、重要な食料として栽培されてきました。
今では、 「 イネ 」 ・ 「 ムギ 」 ・ 「 マメ 」 以外は、一部で健康自然食品として、または、家畜の餌として育てられてはいますが、一般には馴染みのない穀物になってしまいました。それだけ、食料事情が豊かになってきた、と、云うことでしょうか?、自給率は低く、それでも豊かだと云えるのでしょうか‥‥?。
戦後の食糧難の頃、私もよく食べさせられましたが、昨日のことのように思い出されます。


「 アワ(粟) 」 の果穂
古い時代からユーラシア大陸全域で栽培されていました。雑草の 「 エノコログサ(狗尾草) 」 の仲間から改良された、と、云われています。紀元前4000年前頃には、既に中国の黄河流域で栽培されていたそうです。
“ 五穀 ” と云われてきた穀物のうちの一つです。



「 キビ(黍) 」 の果穂
この穀物も、古い時代からユーラシア大陸全域で栽培されていました。実が黄色いので、 「 キミ(黄実) 」 から 「 キビ(黍) 」 に転訛した、と、云われています。
“ 五穀 ” と云われてきた穀物のうちの一つです。



「 ヒエ(稗) 」 の果穂
これは「 シコクビエ(四国稗) 」 と云われている品種です。日本産の 「 ヒエ(稗) 」 は、雑草の 「 イヌビエ(犬稗) 」 から選抜したものを、古い時代から栽培化されてきた、と、云われています。昔は、稲作のむかない地方の重要な食料でした。
“ 五穀 ” と云われてきた穀物のうちの一つです。



ホウキモロコシ(箒唐黍) 」 の果穂
「 モロコシ(唐黍) 」 は、アフリカ原産の一年草です。アフリカでは、紀元前3000年前には、既に栽培されていたらしく、今でも最も重要な穀物です。日本でも古い時代に渡来し、栽培されてきましたが、今では家畜の飼料として栽培されている程度です。この品種は、何処で生まれたかは分かりませんが、実の着き方が箒のようなので、この名が付いたのかもしれません?。



《 昆虫 》

〈 蛾 〉

「 アサマキシタバ 」



「 ツマキリウスキエダシャク 」



「 ナンカイカラスヨトウ 」



「 マメキシタバ 」



《 菌類 》

「 キノコ? 」

“ ぶらり自然観察人 ”  北総の里山  夏から秋へ!

里山風景 》

傷つけられた 「 コナラ 」 の木
国指定の史跡 “ 本佐倉城跡 ” に、樹液の出る 「 コナラ 」 の木が数本あり、甲虫や蝶が樹液を吸いにやってきます。私もその昆虫達の写真を撮るのが楽しみで、頻繁に訪れますが、数日前に 「 コナラ 」 の木が、何者かによって、無残にも刃物で傷つけられていました。樹液をたくさん出させて、 「 カブトムシ 」 などの昆虫を呼び込み、一度にたくさん捕獲しようという魂胆が見え見えです。史跡の中ですし、ただの昆虫好きならば、ここまではしないと思いますね。
昨年の夏、散策中に出くわした事がありますが、何がしかの小遣い稼ぎのために、甲虫を捕り歩いている人がいます。都会のデパートやホームセンターなどで、昆虫類を売っているのを、よく目にしますが、以前は飼育で増やしたものだと思っていました。しかし、今では、そうは思えません。
「 カブトムシ 」 は少なくなり、 「 オオクワガタ 」 などは、全く見ることが出来なくなってしまいました。自然環境の悪化のせいだけではなさそうです。



《 野生植物 》

アカバナ(赤花) 」 の花
山野の湿地に生える多年草です。茎や葉が赤く色づくことから、この名が付きました。小さい花が可愛いですね。茎頭が棍棒状に太くなるのが、特徴です。



「 ガガイモ(蘿藦) 」 の花
日当たりの良い草地などに生える、蔓性の多年草です。果実は細長く、ちょっと 「 トウガラシ 」 か 「 オクラ 」 に似ていますが、熟すると割れ、長い毛のある種子が現れて、風に乗って飛び散ります。


「 ダイコンソウ(大根草) 」 の花
山地の林などに生える、大形の多年草です。根元の葉が大根に似ていることから、この名が付きました。直径2cmほどの黄色い花を、枝先に疎らに着けます。



ママコノシリヌグイ(継子の尻拭) 」 の花
水辺や湿ったところに生える1年草です。茎や葉柄に下向きの短い棘があります。棘の生えた草で、継子の尻を拭うと云う、想像から?、実際にあった話し?、から、名付けられたそうですが、今で云う、子ども虐待の喩えでしょう。恐い!、恐い!。枝先に、名に似合わず “ 金平糖 ” のような可愛い花を着けますが、これが救い‥‥でしょうかねぇ。



「 ヤブハギ(藪萩) 」 の花
山野の林の中に生える多年草です。同じ環境に生える 「 ヌスビトハギ(盗人萩) 」 と良く似ていますが、葉や花は大振りで、花茎は疎らに伸ばします。



《 昆虫 》

ツクツクボウシ
この蝉は、晩夏の頃に発生するので、夏の終わりを告げる蝉と云われています。この辺りでは、けっこう多く鳴いていますが、体の色模様に合った木を選んで止まるので、声はすれども姿が見えず、で、なか、なか、見つけ難いのです。特に雌は少ないようですね?。

※ オ ス



「 シラホシハナムグリ



シロテンハナムグリ & カナブン & コクワガタ? & クロヤマアリ 」
「 コナラ 」 の樹液を吸いに、たくさんの昆虫が集まります。「 シロテンハナムグリ 」 の下に潜っているのは 「 コクワガタ 」 らしい?。



「 イヨヒメバチ vs セスジスズメの幼虫 」



「 ルリチュウレンジ 」



「 ヒゲハラナガツチバチ 」



「 ヤマトシリアゲ(晩夏型) 」
この昆虫は、初夏に発生するものと、晩夏に発生するものでは、全く体色が異なります。以前には別種の昆虫だと考えられていました。
※ 晩夏型のメス


※ 参考写真:初夏型のメス 今年の6月に撮影。



ヤマトシジミ 」 のツガイ



「 シロオビノメイガ 」



「 オンブバッタ 」



《 園芸植物 》

「 タカノハススキ 」 の花穂



ヒョウタン 」 の実

“ ぶらり自然観察人 ”  北総の里山  晩夏へ! ( パート6 )

残暑厳しいおり、水辺に行けば少しは涼しくなるだろうと考え、成田市にある “ 坂田ヶ池 ” の周りを散策しました。散策中に空が暗くなり、突然、雷様が暴れ出し、雨降りに‥‥。少しの晴れ間をぬいながらの、写真撮影になってしまいました。
水のある光景は、少しは涼しく感じるでしょうか!?。


里山風景 》

池畔の倒木




木の上で眠るアオサギ



採餌するダイサギ



《 植 物 》

「 ハス(蓮) 」
インド原産の多年性の水草です。古い時代に、中国を通じて渡来した、と、云われて来ましたが、縄文時代の遺跡から発掘された種子から発芽させたという、 「 大賀蓮(オオガハス) 」 などの例から、日本にも在来種があった、と、云う説も出ています。
根茎と実が食用として用いられている種類を、ただ、 「 ハス(蓮) 」 と称し、花の観賞用の品種は改良品種も含めて、「 ハナバス(花蓮) 」 と呼び、区別されています。


※ 「 タイハクレン(太白蓮) 」 の系統? (坂田ヶ池にて)


※ 「 ショッコウレン(蜀紅蓮) 」 の系統? (坂田ヶ池にて)


※ 「 ヤエチャワンレン(八重茶碗蓮) 」 の系統? (我孫子市の蓮池にて)


※ 「 オオガハス(大賀蓮) 」 (千葉公園にて)


※ 果実



スイレン(睡蓮) 」
スイレン 」 の仲間は、世界各地に広く自生しています。それを基にして、多数の園芸品種が作り出されました。現在、彼方此方で植えられているものは、殆どが園芸品種だと考えられます。



ヒツジグサ(未草) 」
日本全土の池や沼に生える多年性の水草です。未の刻(午後2時)頃に開花するので、この名が付きました。「 スイレン 」 の仲間ですが、日本の在来種は、この1種だけだそうです。



コウホネ(河骨) 」
日本全土の浅い池や小川に生える多年性の水草です。名は、泥の中を白色の根茎を這わせて広がるので、河底の白い骨を連想したものです。黄色い5枚の花弁のように見えるものは萼片で、その内側に多数あるのが花弁です。



《 両生類 》

モリアオガエル? 」 の未成熟体
シュレーゲルアオガエル」 とは少し違うようなので、 「 モリアオガエル 」 だと思いますけど?。千葉県は、南房総の限られた場所にしか生息していないと云われていますので、断言は出来ないのですが?。池畔回遊路の木柵の上でジッとしていました。



《 昆 虫 》

「 ウチワヤンマ 」
この 「 トンボ 」 は、体形や飛び方が 「 オニヤンマ 」 に良く似ていますが、 「 サナエトンボ科 」 の仲間です。「 オニヤンマ 」 は主に林縁や林の中を生活場所にしていますが、 「 ウチワヤンマ 」 は開けた水のある場所で生息しています。翅を休めるときは、水中の杭の上などに水平に止まります。ちなみに、 「 オニヤンマ 」 は木の枝などに、ぶら下がって止まることが多いですね。 「 ウチワヤンマ 」 の尻に近いところに “ 団扇 ” のような突起があるので、見分けられますね。



「 サツマモンナガレアブ 」
虻の仲間にしては、蜂や蝿に似ているので、調べるのに手こずりました。体長は12mmほどでしょうか、 「 ヒツジグサ(未草) 」 の撮影中に飛んできて、直ぐに逃げて行きました。



「 クロアナバチ 」
「 アナバチ 」 の仲間です。なか、なか、いい面構えをしていますね。



「 アメンボウ 」のツガイ
雌の上に雄が乗って、子作り中のようです。それにしても、雄の体は雌の半分、水を掻くのは雌の仕事、雄は何もしていない?。昆虫は、どうも、雌がよく働くようですね?。



《 その他 》

シラヒゲハエトリ
「 ハエトリグモ 」 の一種です。顔の周りに白い髭が生えている筈ですが、御影石の模様に紛れて良く見えません。これも擬態の一つでしょうね。



「 ヤサガタアシナガグモ
この蜘蛛は、滅茶苦茶に前足が長いのです。そのために身を隠すときは、長い物の上で、精一杯に細長くなります。これで、色模様まで合っていれば完璧でしょうけどね、今時の葉っぱはグリーンなのですよ。棒でチョット突いたら、下の写真の体型になりました。

“ ぶらり自然観察人 ”  北総の里山  晩夏へ! ( パート5 )

8月22日付け記事の再掲載です。日付だけを残して、記事は全て消えてしまっていました。ブログにご訪問頂いた方には、大変申し訳なく思っています。
現役の頃も時々このような事が起こり、顔面蒼白になったのを思い出しました。別のデータを削除したときに、連動して消滅したのかもしれません。今もって原因が分かりませんが、たぶん操作ミスでしょうね?。


少しは暑さも和らぐと期待していたのですが、猛暑が “ ぶり返し ” ました。しかし、農作物は順調に成長しているようです。特に果物は気候に恵まれ、農家では出来具合は上々との事でした。
先日、故郷の母や親戚へ、千葉名産の梨 “ 幸水 ” を、地元の梨園から直送で贈りましたが、今年の梨は、大きく、瑞々しく、甘くて美味しいとの事。褒められれば、また、贈ろうと考えるのも人情でしょうか?。
さすがに、自然の生き物も、日中の暑さは耐えられないのか、日陰に避難して殆ど活動しないようです。炎天下を散策し、写真撮影しようとする、私がおかしいのでしょうかねぇ。
今日の写真は、殆どが地味なものばかりになりました。



里山風景 》

里山を走る 成田エクスプレス
東京駅から成田国際空港駅を、ノンストップで結ぶ特急電車です。都会の中とは、また、一味違った趣がある‥‥?。



《 野生植物 》

〈 樹 木 〉

センニンソウ(仙人草) 」 の花
日当たりの良い林縁などに生える、蔓性の植物です。茎は枝分かれし、曲がりくねった葉柄で、他の木などに絡み着き枝を延ばします。この植物が、草なのか、木なのかは分かりませんが、図鑑には “ 半低木 ” と記載されていました。私も素人の気安さで、樹木の仲間にいれたのですが‥‥。



「 ヤマウコギ(山五加) 」 の虫コブ
山野に生える落葉低木です。春には、線香花火のような黄緑色の花を着けます。葉柄が膨らんでいますが、若実では無く「キジラミ」が作り出す “ 虫コブ ” です。
薬用としては、根皮は関節痛・腰痛・足のむくみ・インポテンツに薬効があります。



〈 草 〉

「 イヌトウバナ(犬塔花) 」 の花
山地などの木陰に生える多年草です。茎は四角形、葉は対生をしており、茎の上部に小さな唇形の花を疎らに着けます。一般的には殆ど注目されませんが、拡大してみると、なか、なか、趣があると思いますがねぇ。



オオニシキソウ(大錦草) 」 の花
アメリカ原産の1年草で、帰化植物です。枝先に小さな花をつけますが、白い花弁のようなものは、よく発達した “ 腺体の付属体 ” だそうですが、素人には理解しかねますねぇ?。



「 オニドコロ(鬼野老) 」 の花
山野に生える、雌雄別株の蔓性多年草です。 「 ヤマノイモ(山の芋) 」 の仲間ですが、芋は着きません。写真は雄花ですが、 「ネジバナ(捩花) 」 のような螺旋状の花は面白いのですが、地味ですねぇ。



カラスウリ(烏瓜) 」 の若実
林縁の藪の中などに生える蔓性の多年草です。夜に咲く幻想的な白い花、晩秋の真っ赤な実は美しく、目立ちますが、この季節に着ける若実は、殆ど注目されません。農野菜の 「 ウリ 」 のようで、美味しく食べられそうに見えますけどね。
薬用としては、熟した実をすり潰し、霜焼けの患部に塗ります。



「 クサコアカソ(草子赤麻) 」 の花
山地の湿ったところに生える多年草です。茎や葉柄に赤みがあるので、この名がつきました。普段は殆ど気にしない雑草(雑草と云う植物は無い、と、云われそう)ですが、夕日を浴びて美しく輝いて見えました。昔は家畜の餌として重宝していましたけどね。



「 ネコハギ(猫萩) 」 の花
日当たりの良い草地の斜面に生える多年草です。木本の 「 ハギ(萩) 」 の仲間に似ていますが、茎や葉に軟毛が密に生えています。根元から枝別れし、地面を這いながら長く伸びます。葉の付根に萩に似た、地味ながら清楚で美しい白い花を着けます。



《 昆 虫 》

〈 蛾 〉
今日は不思議と多くの蛾と出会いました。それも、殆どが小さくて ( 最小は体長1cmほど )、 色模様も地味なものばかりでした。蛾がたくさんいることは、生き物の中では最も種類が多いので、当然なのですが、丈の低い草の葉の裏側に止まっていることが多く、人間の目線では、なかなか見つけ難いのです。
蛾の写真整理で少々疲れ気味、説明は手抜きです。

「 アトキハマキ 」



「 ウスキシャチホコ



「 ウスマダラマドガ「 キバラヒメアオシャク 」



「 キベリハイヒゲナガキバガ 」



「 コウモンクチバ 」



「 スジモンヒトリ 」



「 セスジナミシャク 」



「 トビスジアツバ 」



「 ホシオビコケガ 」



「 ホソオビキマルハキバガ 」


《 園芸植物 》

〈 樹 木 〉

イヌマキ(犬槙) 」 の若実
暖地の海岸近くの山地に生える、雌雄別株の常緑高木です。主に関東地方以西の太平洋側と沖縄に分布します。庭木や垣根にも利用されています。実は秋になると青黒色に熟しますが、実の下に着いている、実床と云われている部分が膨らんで、赤く色づき、2色の実が2段に重なっているように見えます。



ユズリハ(譲葉) 」 の若実
山地に生える常緑高木です。後を譲るように、古い葉を落とすので、この名が付きました。細長い楕円形の葉を、枝先に放射状に着けるので、風車のように見えます。庭や公園にも植えられ、葉は正月飾りにも使われているそうです。



《 農野菜 》

「 オオツノゴマ(大角胡麻) 」
南アメリカ中央部原産の1年草です。離れて見たときは、「カボチャ」だと思ったのですが、近づくと、黄色い花が鈴なりに咲いていました。図鑑に掲載されていないので、インターネットで検索し、漸くわかったのですが、日本には最近入ってきた植物でしょうか?。別名を 「 キバナツノゴマ 」 と呼び、若実は食用にされるそうですが、調理方法は?。
「 ツノゴマ 」 の名は、熟した実は水牛の2本の角のように先が尖り、大型獣に着いて運ばれることから、名付けられたそうです。
花は確かに 「 ゴマ(胡麻) 」 に似ていますが、茎は太く、葉は大きく、豪快な植物です。撮影中に葉を触ってみると、腺毛がビッシリと生え、分泌物を出しているらしく、暫らくの間は手がベタベタと粘り、少々気持ちの悪い思いをしました。



「 カボチャ 」
「 ウリ科 」 の農作物は、 「 カボチャ 」 の他、「 ヘチマ 」 ・ 「 ヒョウタン 」 ・ 「 トウガン 」 ・ 「 ユウガオ 」 ・ 「 キウリ 」 ・ 「 マスクメロン 」 ・ 「 マクワウリ 」 ・ 「 スイカ 」 など多彩です。
お馴染みの「 カボチャ 」 は野菜か?、果物か?。私は、いまだに良く分からないのですが、研究者の間でも論争があるようです。蔬菜園芸の世界では、果実を食べるものは、果菜類として野菜の中に入れる、と、いうことらしいのですが、外国では種子や芽先・花などを食べるものもあるそうなので、どう区別されるのでしょうか?。

“ ぶらり自然観察人 ”  北総の里山  晩夏へ! ( パート4 )

残暑の季節に入りました。猛暑だった日々も一段落、日陰に入ると涼しい風が通り抜けます。お盆休みは今日で終わり、私達がこの町に越してから「田舎が出来た!」と喜び、1週間ほど前から来ていた孫娘も、普段の生活に戻るために、親のところに帰ります。


里山風景 》

ダイサギ 」 の飛翔
ダイサギ 」 が悠々と大空を飛ぶのを見ると、何故か羨ましくなります。



「 ドクター・ヘリ 」 何処へ行く?
ヘリコプターの英文字を読むと、「 ドクター・ヘリ 」 らしい、カメラ機能の悪戯で、ローターが永久に停止してしまった感じ‥‥。



《 昆 虫 》

〈 蝶 〉

「 イチモンジチョウ 」
「 タテハチョウ科 」 の仲間です。翅を広げると、1本の白い筋が通っているように見えるので、この名が付きました。「 タテハチョウ 」 の仲間は、どういう訳か前足が退化して短くなり、4本足に見えます。翅裏は美しい色模様をしていますね。幼虫の食草は「スイカズラ」などです。



「 コミスジ
この蝶も「 タテハチョウ科 」 の仲間です。翅を広げると、同じように3本の白い筋が通っている、「 ミスジチョウ 」 より小さいので、この名が付きました。飛び方は “ パタ、パタ ” と数回はばたき、 “ スー ” と滑空しますので、見ていると気持ち良さそうにみえます。幼虫は 「 フジ 」 などを食草にしています。



サトキマダラヒカゲ
「 ジャノメチョウ科 」 の仲間です。成虫は薄暗い林の中に生息し、 「 クヌギ 」 や 「 コナラ 」 の樹液を吸います。この蝶が止まっている時に、翅を広げたのを見たことがありません。翅裏は複雑な模様をしていますが、よくも、まあ、自然はこのようなデザインを考えだした?、ものだと感心しますね。幼虫の食草は 「 メダケ 」 などです。



〈 蝶 & 甲虫 〉

ゴマダラチョウアオカナブン
ゴマダラチョウ 」 は 「 タテハチョウ科 」 の仲間です。開帳幅は7cm前後で、結構大きな蝶です。翅表の色模様が、そのまま翅裏にも現れています。成虫は 「 クヌギ 」 や 「 コナラ 」 の樹液を吸います。幼虫の食草は 「 エノキ 」 です。


※ 「 アオカナブン 」 が食事中のところへ、 「 ゴマダラチョウ 」 は翅を広げて体を大きくし、威嚇しながら近づいて来ました。


※ 「 アオカナブン 」 は食事に夢中、「 ゴマダラチョウ 」 は相手されないのを幸いに、長い口吻を恐る恐る伸ばして樹液を吸い始めました。


※ それでも、 「 アオカナブン 」 は反応なし、「 ゴマダラチョウ 」 は図に乗って 「 アオカナブン 」 の上におい被さって、樹液を吸い始めました。普通は力の強い 「 カナブン 」 に追い払われるのですがねぇ?。



〈 甲 虫 〉

クロカナブン



「 カブトムシ 」
何んと云っても甲虫の王様、貫禄十分です。林の中の木の根元でジッとしておりました。
※ オ ス



「 ヤマトタマムシ
タマムシ科 」 の仲間で、普通は、ただ「 タマムシ 」 と呼んでいます。この昆虫の翅が、国宝 “ 法隆寺の玉虫厨子 ” に使用されていることは有名な話です。飛鳥時代聖徳太子や飛鳥人も、この美しい翅を持つ昆虫を知っていたと考えると、愉快ではありませんか!。


※ 城跡のベンチに飛んできました。もう少し背景の良い場所を選んでくれれば‥‥ねぇ。


※ 城跡の教育委員会案内板に止まりました。2匹目に出会えるとは幸運でしたが、この個体も背景の良い場所を選んでくれれば‥‥ねぇ。「 タマムシ 」 は、開けた場所や大木の幹に止まる習性があるようですね。



〈 バッタ・キリギリス 〉

「 クルマバッタ 」
「 バッタ科 」 の仲間です。雌の体長は3.5cmほど、雄は少し小さい。雌(女性)上位?には変わりはありませんが‥‥。



ショウリョウバッタ
「 バッタ科 」 の仲間です。雌の体長は8cm以上もありますが、雄はその半分、雌(女性)上位?の典型的な昆虫です。
※ メ ス



「 ヤブキリ 」
「 キリギリス科 」 の仲間です。たけの高い草や木の葉の上にいることが多い。
※ オ ス


※ メ ス
雌の尻から出ている剣のようなものは産卵管、地中に突き刺して卵を産みます。

“ ぶらり自然観察人 ”  北総の里山  晩夏へ! ( パート3 )

里山風景 》
稲の穂も出揃い、稔りの秋を迎えようとしています。台風などの被害に遭わず、豊作でありますように!。



《 野生植物 》

〈 樹 木 〉

クサギ(臭木) 」 の花
山地などに生える落葉低木です。枝や葉を切ると強い臭気があるので、この名が付きました。花は、まあ、まあ、それなりに美しく、良い香りもします。
薬用としては、枝・葉ともに高血圧・神経痛に薬効があります。


※ 参考写真:晩秋になると、真っ赤な萼片に乗ったように、青黒い実を着けます。色の対比が美しく、何かの勲章のようですね。


ヤマハギ(山萩) 」 の花
山野などに生える落葉低木です。この種は別名、ただ 「 ハギ(萩) 」 とも呼ばれ、日本全土(離島を除く)に分布し、庭や公園などにも植えられています。幹の葉の脇から小枝を伸ばして花を着けます。



「 マルバハギ(丸葉萩) 」 の花
日当たりの良い山野に生える落葉低木です。別名 「 ミヤマハギ(深山萩) 」 とも称し、幹の葉の脇に花を固まって着けます。



「 ガマズミ(莢蒁) 」 の若実
山野に生える落葉低木です。果実は晩秋の頃になると真っ赤に色づき、野鳥たちの重要な食料になります。
熟した実は、そのままでも食べられますが、薬用としては、果実酒(薬酒)にして、疲労倦怠・動脈硬化予防に利用します。



「 シロダモ 」 の若実
関東地方から沖縄までの、山地に生える雌雄別株の常緑高木です。果実は翌年の晩秋頃に漸く赤く熟すので、春には実と花が同時に見られる珍しい樹木です。昔は種子から採った油で、蝋燭を作ったそうです。



「 アオハダ 」 の若実



〈 草 〉

「 アキノタムラソウ(秋の田村草) 」 の花



キツネノカミソリ(狐の剃刀) 」 の花
山野に生える多年草です。「ヒガンバナ彼岸花)」の仲間で、花の時期は葉がありません。春に出てくる細長い葉が、剃刀に似ているので、この名が付いたそうです。何で “ 狐 ” なのか分かりませんが、 “ 剃刀 ” は多分、昔使われていた長い片刃のものでしょうね?。花は魅力的ですが、有毒植物です。



「 コバギボウシ(小葉擬宝珠) 」 の花
山野のやや湿った所に生える多年草です。 「 ギボウシ 」 の仲間の中では葉が小さく、蕾を神社仏閣や橋の欄干の支柱飾り “ 擬宝珠 ” に例え、名付けられました。自生のものは花や葉の形、花色の変化が多い。園芸用に改良品種もたくさんあり、人気のある草花です。





ヒレタゴボウ 」 の花
熱帯アメリカ原産、湿地に生える帰化植物で1年草です。別名 「 アメリカミズキンバイ 」 とも云われています。同じ環境に生息する 「 チョウジタデ(丁字蓼) 」 に良く似いるので、混同される事があります。



イヌホオズキ(犬酸漿) 」 の実
荒地や道端などに生える1年草です。食べたくなるような黒い実が着きますが、有毒植物です。



《 菌 類 》

〈 キノコ 〉



《 昆 虫 》

〈 チョウ 〉

「 ウラナミシジミ



「 ゴイシシジミ



〈 ガ 〉

「 シロツトガ 」



「 ? 」
この蛾が何かは、今のところ分かりませんが、自分の体の色模様を承知しているのでしょうか?。自然の生き物の身の隠し方には、いつも舌を巻きますね。



〈 ア ブ 〉

「 スキバツリアブ 」



〈 ハ エ 〉

「 コンボウナガハリバエ 」



カメムシ

「 キバラヘリカメムシ



《 魚 》

「 ヌマムツ? 」



《 園芸植物 》

〈 草 〉

アメリカフヨウ 」 の花
アメリカ原産の多年草です。花の直系が20cm以上、特別大きな花に魂げて撮影してしまいました。



「 カンナ 」 の花
2色咲きは珍しいのではないでしょうか?。



「 八重咲きヒマワリ 」 の花



《 農作物 》

ラッカセイ(落花生) 」 の花
南アメリカ原産の1年草です。「 ラッカセイ 」 は中国名ですが、今では 「 ピーナッツ 」 と云ったほうが通りがいいようです。種子を食用にする他、食用油を採るために、世界中で栽培されています。この辺りでも名産品 “ 千葉ピーナッツ ” を栽培しています。



「 アズキ(小豆) 」 の実
昔は “ 赤いダイヤ ” と呼ばれたことがありました。私は、この豆を見ると、赤飯・オハギ・オシルコ・饅頭・大福餅・最中・鯛焼き・アイスキャンデー・かき氷‥‥‥‥色々と思い出します。