“ ぶらり自然観察人 ”  北総の里山  初秋から中秋へ! ( パート2 )

9月下旬に入り、異状とも云える長かった猛暑は、漸く治まってきました。この辺りでは、台風の被害に遭わないまま、稲の収穫も全て終わり、農家では昨年の1.5倍の収穫があったと聞きました。気候が幸いしたのかも知れませんが、全国的には如何だったのでしょうか?。
東日本大震災原発問題の対応がスムーズに進まず、尖閣諸島竹島問題が噴出し、政治の混乱が追い討ちをかける時勢の中で、私たち一国民も、平和に安住してはいられなくなってきたようです。これからは、それなりに腹をくくって生きる覚悟が必要なのかも知れません。
このところ豪雨の日が続き、墓参や雑用にも影響し、自然観察はあがったり、11日ぶりの記事になってしまいました。


《 野生植物 》

〈 草 〉

「 ツリフネソウ(釣舟草) 」 の花
山地の水辺の湿った場所に生える1年草です。名の由来は、細い花柄にぶら下がって花が咲くので、釣舟で釣りをする様にみたてたと云う説と、花の形を帆掛舟にみたてたと云う説があります。花色は、紅紫色が一般的ですが、白花と黄花のものもあり、黄花のものは 「 キツリフネ(黄釣舟) 」 と称し、別種に扱われています。 「 ホウセンカ(鳳仙花) 」 と同じ仲間に属し、種子は熟すると果皮が弾けて飛散します。
この植物は、山地でないと見られないと思っていましたが、思いがけなく、この辺りでも群生を見られたのは、幸運でした。色っぽいと云うか、妖艶と云うか、そのような印象の花です。




「 ヤマジノホトトギス(山路の杜鵑草) 」 の花
山地の林の中に生える多年草です。8月24日付け記事にもしました、 「 ヤマホトトギス(山杜鵑草) 」 と呼ばれている種と似ているので、区別がややこしいのですが、花の着き方と花弁の反り返り方が異なります。
上記の 「 ツリフネソウ 」 と同様に、この辺りでは見られないと考えていましたが、僅かながら、2株を発見する事が出来ました。 「 ヤマホトトギス 」 と共に、この辺りでは希少植物だと思います。



「 オオバクサフジ(大葉草藤) 」 の花
山野の林縁などに生える蔓性の多年草です。花や葉が「フジ(藤)」に似ているので、この名が付けられました。同じ仲間の 「 クサフジ(草藤) 」 に似ていますが、蔓は低木のような枝状で、葉は大きく疎らに着きます。この辺りでは 「 クサフジ 」 と同様に、何処にでもありそうで、なかなか見付かりません。やはり、少ないと云う事でしょうね?。



「 ヤブマメ(藪豆) 」 の花
林縁や草叢に生える蔓性の多年草です。葉柄の付根に蝶形花を多く咲かせますが、豆果は小さく、種子は1個しか出来ません。花は以外?に美しい。



《 菌 類 》

「 キノコ 」
何れも笠の直径が10cmほどもある、大きな 「 キノコ 」 です。
「 キノコ 」 類の見立ては、素人には分からないことが多い事と、食用になるものと、猛毒のものがあるので、迂闊には特定しないようにしています。



《 昆 虫 》

〈 蜻 蛉 〉

アキアカネ
秋の空を飛び交う、赤トンボの一種 「 アキアカネ 」 は、初夏に里山で羽化しますが、真夏の暑さが苦手らしく、直ぐに涼しい高山に避難します。そして、秋になると次々に里山に戻って来ます。その時は、胴体は真っ赤になっていますが、 「 ナツアカネ 」 のように胸や顔までは赤くなりませんので、見分けが付き易い。
※ オ ス



ノシメトンボ
この蜻蛉も赤トンボの一種、 「 アキアカネ 」 と同様に初夏に羽化しますが、真夏の間は林縁の木陰で暑さを凌ぎます。秋になると胴体は色付きますが、どちらかといえば赤黒く、この写真の個体のように、鮮やかな赤色は珍しいようです。
※ オ ス



〈 蝶 〉

「 ウラナミシジミ



「 ゴイシシジミ 」の群れ



〈 蛾 〉

「 ホタルガ 」
「 シロシタホタルガ 」 と良く似ているので、勘違いしますが、翅の白い筋の位置が 「 ホタルガ 」 は下方にあり、 「 シロシタホタルガ 」 は中間にあるので、区別は簡単です。

※ オ ス


※ メ ス



「 キシタアツバ 」



「 ナカノホソトリバ? 」



〈 飛蝗・蟷螂 〉

「 コカマキリ 」



「 ツチイナゴ 」



〈 甲 虫 〉

「 ハスジカツオゾウムシ 」



クロウリハムシ



〈 その他 〉

ジョロウグモ
この蜘蛛は体の色模様が多彩で美しいのですが、蜘蛛嫌いには、どぎつくて気持ち悪いと思われそうです。



《 野 鳥 》

チュウサギ? 」
見た時は 「 コサギ 」 か 「 チュウサギ 」 かは判断できなかったのですが、調べてみると、特徴から 「 チュウサギ 」 らしい。ただ、夏型にしては嘴が黄色いのが気になるが?。この鷺は全国的にも数が少なくなっているらしく、この辺りでも珍しい。この地に越して来て、写真撮影できたのは初めてです。