“ ぶらり自然観察人 ”  北総の里山  初秋から中秋へ! ( パート3 )

《 爬虫類 》

「 アオダイショウ 」
出会った時は、ギョギョっとさせられました。日本産の蛇では最大で、2mにもなると云われていますが、そこまで大きいものは、なか、なか、見られないようです。この個体は目測で1.5mほどで、まあ、大きい方でしょうね。
脱皮が間近らしく、目が青白くなり、動きが緩慢なので、オッカナビックリながら、ゆっくりと撮影が出来ました。



ニホンカナヘビ
草の中から顔を出してきたのと目が合ってしまい、少しギョっとさせられました。蛇の名が付いていますが、蜥蜴の仲間です。



《 野生植物 》

〈 樹 木 〉

「 クコ(枸杞) 」 の花
この植物がこのように、たくさん花を着けているところを見たことがありません。花は可憐で愛らしく、これから実る赤い実は魅力的、それにも増して全草が薬用になる、大変役に立つ木です。晩秋には、たくさんの果実を着けそうだから、薬酒にできそうだ!。



「 マキエハギ(蒔絵萩) 」 の花
低山地の丘陵などに生える半低木です。「ハギ属」の仲間は落葉低木ですが、図鑑に依れば、この種は半低木と云う表現がなされていました。木か草かの判断が出来ないと云う事でしょうか?。細い花柄がスーッと伸びるので、日本画の蒔絵の筆法を思い起させるので、この名が付いたと云われています。



〈 草 〉

ヒガンバナ彼岸花) 」 の花




アキノノゲシ(秋の野芥子) 」 の花



「 イボクサ(疣草) 」 の花



ホトトギス(杜鵑) 」 の花



マルバツユクサ(丸葉露草) 」 の花
ツユクサ(露草) 」 の仲間、関東地方以西から沖縄の砂質地に生える1年草です。この辺りに自生しているのは、珍しいのでは?。



ツユクサ(露草) 」 の花
また、また、 「 ツユクサ(露草) 」で恐縮ですが!
先日(9月11日)、 「 シロバナツユクサ 」 を記事にしましたら、植物に詳しいブログ友さんから「自生種に白花は無い、園芸品種のトラディスカンティアの一種が野生化したものだろう」と云うアドバイスを頂きました。勿論、私も 「 シロバナツユクサ 」 と云う自生種が図鑑に無いことは承知しているのですが‥‥。
しかし、その後の自然散策で、青花の群生に混じって、白花が咲いているところを何度も見ました。生育環境や草の特徴から見て、園芸品種だとは考えにくいのです。白花は、この地方だけのものなのか、何か特別な原因でそうなったのか、今のところ分かりません。
そこで、良い機会だと考えて、植物が固有の色彩を維持し、また、どのような条件により変わるのか、調べてみました。
参考資料によると、動物や鳥などと同様に “ カロテロイド色素やメラニン色素が重要 ” な役割をしていることが分かったことと、特に注目したのは、 “ 突然変異の原因は、放射線もその一つ ” と云う記述でした。
昨年の “ 東日本大震災 ” 以後、鳥や蝶などの生き物が、誰でもが気がつくほどに少なくなり、今年の始め頃、私なりに調べた事を思い出したのです。
旧ソ連時代のチェルノブイリ原発事故の後、野鳥への放射能の影響を調査していた、学術団体の論文を解説した資料によると、個体数が大幅に減少し、多くの「ツバメ」の羽が白化したそうです。それには、抗酸化物質であるカロテノイドやメラニン欠乏が、深く関わっているとのことでした。 「 ツユクサ 」 の花の白化が、土壌の酸性・アルカリ性や肥料成分が原因であり、放射能の影響でないことを願っているのですが?。
参考にさせて頂いた諸資料は、一番終わりに添付しておきました。


※ 青花と白花の混生
左側から右側にかけて、花色が青から白へ徐々に変わっている。


青花の直ぐ隣に白花の株がある。


※ 青花(普通種)
青花の拡大写真


※ 白花(変種?)
白花の拡大写真



[ 参考資料 ]
カロテロイド色素とメラニン色素について (ウィキペディア フリー百科事典より抜粋)
カロテノイド (carotenoid) は天然に存在する色素である。テルペノイドの一種で、テトラテルペンに分類される。炭素と水素のみでできているものはカロテン類、それ以外のものを含むものはキサントフィル類という。カロテンやキサントフィルは二重結合を多く含むので抗酸化作用が大きく、植物では酸素が多く発生する場所に多く存在する。極性溶媒に溶けにくく、非極性溶媒に溶ける。したがって、脂肪とともに摂取すると効率的である。なお、カロテンは動物に吸収されるとビタミンAとなる。
メラニン (melanin) は、ヒトを含む動物、植物、原生動物において形成される色素である。メラニン色素ともいう。黒褐色のユウメラニン(eumelanin、真性メラニン)と、橙赤色のフェオメラニン(Pheomelanin、亜メラニン)の2種類がある。皮膚の表皮最下層の基底層や毛髪の毛母などにあるメラノサイト(色素細胞)で生成される。



カロテノイドについて (www.naoru.com/carotene2.html より抜粋)
カロテノイドは、植物や動物など、天然界に幅広く存在する黄色〜赤色の天然色素群です。動物では甲殻類、魚、鳥、卵黄など、 植物では高等植物の根、葉、花弁、種子、果実、花粉のような大部分の部位、また藻類、キノコなどで見られる赤、黄、橙色の大部分の色が、カロテノイドにより色調を得ています。
カロテノイドという名前は、にんじん(Carrot)の黄色色素に由来しています。今日まで、約600種の脂溶性色素が天然源から単離されており、天然界における年間総カロテノイド生産量は、約100,000,000トンであるとされています。
カロテノイドは、カロチン(注:カロテンとも云う)とキサントフィルに分類されます。炭素と水素から構成され、酸素を含有しているものに限りキサントフィルと呼ばれています。
動物においては、これらの重要な物質を体内で生産することができないため、食物から摂取しなければなりません。


カロテノイドの酸化防止作用
○ 活性酸素の働きを抑えて老化や発ガンを予防します。
○ 免疫機能を強化する働きがあります。
○ 視覚機能を正常に保つ働きをもっています。
○ 生殖機能を維持する作用があります。
○ 形成異常(器官・組織・細胞の成長異常)を正常にします。



花の色素について (www.ies.or.jp/publicity_j/mini_hyakka/06/mini06.htmlより抜粋)
〔花の色を決める色素〕
自然界の花の色の系統は、白色系が33%で最も多く、次いで黄色系が28%、赤色系が20%と続き、紫 系と青色系を合わせて17%、その他の系統色が2%といわれています。このように花の色が様々なのは、その種類特有の色素物質がその組織の中に含まれているからです。
 ときには自然界でもある枝だけの花の色が変わることがあり、「枝変り」と呼んでいます。これは色素を作る遺伝子などが突然変異してしまったものです。このような突然変異の原因には様々なものが考えられますが、放射線もその一つです。このような枝変りで役に立つものは、挿し木などで増やして、新しい花色の品種として世に送り出されています。
 

〔白い花の色を現わす色素〕
他の色とは違って、白い花には白い色素というものは含まれていません。たいていの場合、無色からうすい黄色を現わすフラボン類またはフラボノール類という色素が含まれています。例えば、キク、カーネーション、バラなどの白花にはこの類の色素が含まれています。それではなぜこれらの花はうす黄色や透明には見えずに白く見えるのでしょう。それは、花びらの中の組織がスポンジのように空気の小さな泡をたくさん含んでいて、光が当たったときに丁度ビールの泡のように白く見えるからなのです。

   
〔赤やピンクや紫や青の花色を現わす色素〕
赤やピンクや紫や青の花にはアントシアニン類という色素が含まれています。この色素は他の物質と 結びついたり、酸性アルカリ性の度合いなどによってこのようにいろいろな色を現わします。例えば、サルビアヤグルマソウなどの明るい赤、ケシ、コスモス、ウメなどの紅色やピンク色、シクラメンモクレンなどの紅紫、キキョウ、ツユクサなどの青や紫、サツキ、シャクナゲなどの紅紫や紅桃、ペチュニアなどのピンクは、それぞれ同じアントシアニン類でも少しずつ種類の違った色素によるものです。また、アントシアニン酸性では赤、中性では紫、アルカリ性では青に変わる性質があります。
アジサイは土によって花の色が違うということで有名ですが、不思議なことに土が酸性だと青、アルカリ性だとピンクの花が咲きます。よく調べると、 土の酸、アルカリ度にかかわらず花は常に弱酸性であることが分かり、アジサイの花色の変化は花の酸・アルカリ度のせいではないことが分かりました。土が酸性になるとその中のアルミニウムが溶けだしてアジサイに吸われ、花のアントシアニンと結びついて青くなるという説がありますが、本当の理由はまだ解明されていません。
 

 
植物と栄養 (園芸情報サイト インフォグリーンより)
植物の体はおよそ60種類の元素からなりたっています。このうち16成分が不可欠の要素で「必須元素」と呼ばれています。これらは、生命維持に必要でありながらも、みずからの体内で合成できないか、生成できても絶対的に不足するために、他からの補給が必要なものです。その意味で「不可欠」または「必須」といいます。

【必須元素】

炭素(C)、酸素(O)、水素(H)、窒素(N)、リン(P)、カリウム(K)、イオウ(S)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、ホウ素(B)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、塩素(Cl)  以上16元素

炭素、酸素、水素は空気や水から供給されます。植物はこれらを原料にして光合成を行い、糖やデンプンなどの炭水化物を合成します。

窒素、リン酸、カリ(カリウム)は植物の体をつくり、生命活動を行う中心的存在です。またこれらはよく吸収されるために欠乏しがちなので、園芸や農業では人為的に与える必要があります。これを「三要素」といいます。この三要素のいずれか、またはすべてが一定割合以上含まれるものを「肥料」と呼んでいます。

三要素の窒素、リン酸、カリは多量に要求される要素なので「多量要素」といいます。
カルシウム、マグネシウム、イオウは、多量要素ほどではないが、比較的多く必要とするため「中量要素」といいます。
マンガン、ホウ素、亜鉛、銅、モリブデン、塩素などは、必要量はごく微量ですが、植物にとって不可欠のものなので「微量要素」といいます。