“ ぶらり自然観察人 ”  北総の里山  夏から秋へ! ( パート5 )

この季節、彼方此方で稲の収穫の真っ最中です。機械化により、広い田圃もみるみるうちに刈り取られ、玄米になっていきます。昔に比べ、あまりにも効率が良くて、何か物足りなさを感じさせられるのは、如何してでしょうか?。
私の子供の頃は全て手作業の時代、何処の農家でも重箱に手料理を詰め、家族総出で稲刈りをしたものです。作業する者には大変な重労働でしたが、見る者にとっては、長閑な田園の心温まる風物詩でもありました。
戦後しばらくの間、農村の学校では、春・夏・冬休みのほかに、諺に云う “ 猫の手も借りたい ” 農繁期の季節、田植え・養蚕・収穫手伝いの為の各休みが設けられていました。小さな子供も労働力のうち、学校が休みだと喜んでいる場合ではなかったのですが、今にして考えれば、強い家族の絆があったように思え、懐かしい気持ちになります。


里山風景 》

「 稔りの秋 」



《 野生植物 》

「 アキカラマツ(秋唐松) 」 の花
山野の草原などに生える多年草です。枝分かれした茎の上部に、小さな黄緑色の花を着けます。花弁はありませんが、たくさんの葯の着いた雄しべが垂れ下がるので、花が全開すると全体に黄色く見えます。



イヌタデ(犬蓼) 」 の花
道端や草地に生える1年草です。数ある 「 タデ属 」 の中では、ごく普通に見られ、別名 「 アカマンマ(赤飯) 」 の名で親しまれています。果実は花に包まれたまま、黒く熟します。 “ 藍染 ” の染料として有名な 「 アイ(藍) 」 も、この仲間です。



「 オオブタクサ(大豚草) 」 の花
アメリカ原産、高さ3mにもなる大形の1年草です。葉が 「 クワ(桑) 」 に似ているので、別名 「 クワモドキ 」 とも呼んでいます。戦後、日本に入ってきましたが、帰化植物は主に人によって開発された土地に繁殖します。除草が大変なのと、花粉症の原因にもなるので嫌われ者のようですが、人間の行為が原因なので、あまり文句は言えないのでは‥‥。花穂は、まあ、まあ、面白いのですがね。



「 シロヨメナ(白嫁菜) 」 の花
山地の木陰や道沿いに生える多年草です。花が白く 「 ヨメナ(嫁菜) 」 に似ているので、この名が付きましたが、 「 ヨメナ属 」 では無く、 「 シオン属 」 の仲間に入ります。清楚で美しい花を着けますが、これも一般的には “ 野菊 ” と呼ばれている植物の一つでしょうね。



ツユクサ(露草) 」 の花
道端や草地に生える1年草です。普通に見られる植物ですが、二つ折れになった緑色の苞に包まれた、色鮮やかな青色の花弁が美しく、何時も見入ってしまいます。一見、か弱そうにみえますが、結構しぶとく、繁殖力も旺盛なので、農家泣かせの雑草です。
農作物には厄介者ですが、湿疹・汗疹・浮腫み・風邪・咽喉の痛みに薬効があるので、薬草としては有用植物なのです。


※ 「 シロバナツユクサ
葉や花の形は 「 ツユクサ 」 その物、白花のものを見たのは初めてです。林縁の道路沿いに群生していましたが、突然変異かも知れません。私の独断ですが‥‥。



《 農作物 》

「 オオツノゴマ 」 の若実
8月22日付けの記事に、花を取り上げましたが、その後どうなったか見たくて、再度訪ねてみました。名の通り、角のある若実を、たくさん着けていました。大きさは 「 キウリ 」 程もあり、どのように料理をして食べるのか?、いっそう興味深々になりましたね。



《 両生類 》

ヤマアカガエル? 」
「 アカガエル 」 の仲間にしては、体色が黒過ぎるので、別の種類かと思ったのですが、他に該当するものが無く、取り合えず、体の特徴から 「 ヤマアカガエル 」 ではないかと考えました。他に良く似た種類で 「 ニホンアカガエル 」・「 タゴガエル 」 と云う、日本の固有種もいますので、 “ ? ” 付きですが‥‥。



《 昆 虫 》

〈 蝶 〉

イチモンジセセリ



「 オオチャバネセセリ 」



「 ゴイシシジミ
小さな蝶です。草の葉裏に4匹が集まり、談合をしているようでした。



「 ナミヒカゲ 」



〈 蛾 〉

「 アトヘリヒトボシアツバ 」



シロマダラコヤガ 」



「 テンクロアツバ 」



「 ムジホソバ 」



〈 その他 〉

「 マダラガガンボ



オオカマキリ



ホオズキカメムシ



ハナアブ



シラヒゲハエトリ
小さな 「 ハエトリグモ 」 の一種です。前にも一度取上げましたが、今回の写真には、口の周りの白い髭がハッキリと写っています。こんな物があっては、獲物を食べ難いでしょうに?。