“ ぶらり自然観察人 ” 北総の里山へ! (パート2 )
S町の里山自然観察2日目は、町の西側に位置する国指定史跡 “ 本佐倉城跡 ” の周辺にしました。この地へ転居する前から、一度は訪れたいと思っていた、“ 印旛手賀県立自然公園 ” の東端に面しています。自宅から歩いて、ほぼ5分間で里山に到着、京成電鉄線の向こうに“ 北印旛沼 ” と “ 西印旛沼 ” を結ぶ、水路が望めました。
到着早々、想像していた以上に自然の豊かな里山の景観に目を奪われ、林縁の土手に群生する “ 希少植物 ” の「ニリンソウ」や「ジロボウエンゴサク」、「ゲンジボタル」の生息地を発見したときは、踊り出したくなる気分でした。
里山風景
田園地帯の向こうに、 “ 本佐倉城跡 ” のある丘が望めます。この辺りが戦国時代に “ 千葉氏 ” の居城があった場所ですが、城跡の入り口が見つからないので、見学は後日に回し、自然観察だけにしました。
このような美しい里山は、やはり、積極的な保護活動をしている人たちの手によって、良好に保全されているようですね。
< 野生希少植物 >
「ニリンソウ(二輪草)」の花
山野に生える多年草です。1本の茎に2個の花を着けるので、この名がつきました。同じ仲間に、1本の茎に1個の花を着ける「イチリンソウ(一輪草)」がありますが、花が無くても葉に柄がないこと、白い斑点があることなどから、見分けることができます。この花の自生種を見た人は、あまり無いのでは?、と、思いますが、如何でしょう‥‥?。
若芽は山菜として食べられますが、猛毒の「トリカブト(鳥兜)」に似ているために、誤って中毒事故が起こることが多いそうです。希少植物でもあるので、食べない方が無難と云うことでしょうね。
「ジロボウエンゴサク(次郎坊延胡索)」の花
平地から低山地の土手などに生える多年草です。昔、子供が「スミレ」の花を “ 太郎坊 ” 、この植物の花を “ 次郎坊 ” と呼び、距(キョ)を引っ掛け千切りあって遊んだことから、この名が付いたと云われています。私も子供の頃に、同じ仲間で山地に多い「ヤマエンゴサク(山延胡索)」の方ですが、そのようにして遊びました。それと、距(キョ)の奥に甘い蜜を蓄えているので、戦後の菓子のあまり無い時代、美味しく舐めた思い出が甦ってきましたね。
昔は、あちこちに、たくさんありましたが、今では自然豊かな所でないと、見られなくなってしまいました。
< 野生植物 >
「クサノオウ(草の黄・瘡の王)」の花
林縁や草地に生える越年草です。茎や葉を切ると黄色い汁が出るので「草の黄」、丹毒(皮膚病)に薬効があるので「瘡の王」と云う説があります。
「ムラサキケマン(紫華鬘)」の花
「ヤマドリゼンマイ(山鳥銭巻)」
< 園芸植物 >
「ライラック」の花
< 貝 >
「カワニナ」
「ゲンジボタル(源氏蛍)」の幼虫は、この巻貝が居なければ生きられません。「カワニナ」は綺麗な “ 湧き水 ” が出るところでないと、生息できません。「ゲンジボタル」は「ヘイケボタル(平家蛍)」より、自然が豊かな場所が必要なのです。
「蛍」は生まれた場所でしか、生きられないそうです。他の場所から連れてきても、遺伝子 “ 帰巣本能 ” に従い、生まれ故郷に帰ろうとして、途中で死んでしまいます。最近まで何処かの高級ホテル兼料亭で、関西や四国から大量に蛍を買い、商売に利用していました。社会問題になったので、今は止めているようですが‥‥?。ですから、絶滅すると復元が大変難しい昆虫なのです。
「カワニナ」は「ゲンジボタル」の幼虫の、成長過程の体形に合った大きさでなければなりません。大き過ぎても、小さ過ぎても役に立たないのです。私も一時期「カワニナ」を育ててみましたが、世話が大変でしたね。
< 小動物 >
「ヤミイロカニグモ」
< 昆 虫 >
「モンキチョウ」
「アカハネムシ」
「ホソハリカメムシ」
「マルカメムシ」