“ ぶらり自然観察人 ”  北総の里山へ!

連日、初夏の気候を思わせる日が続いています。自然散策をするには絶好の条件です。引越しの疲れを引き摺りながらも、ここに来て初めて、町の東側に位置する里山へ出かけました。何しろ、四方八方、5分間ほど歩けば自然の中に入ることが出来ます。先ず地形を知ることから始めるために、遠出を避け、近場の探検(?)をしました。色々ありそうな予感がしましたが、普通に見られる植物や生物の観察と、写真を撮ることにしました。


里山を走る、JR成田線の “ 成田国際空港 ” 行き、2階建て快速電車
終点の “ 成田国際空港駅 ”は、もう直ぐです。後は航空機で!、と、旅の夢が膨らみます。



< 野生植物 >

「ニワトコ(庭常)」の花
山野に生える落葉低木です。別名は「セッコツボク(接骨木)」。春先に他の樹木に先駆けて、葉や花芽を着けます。無数の白い小さな花が房状に固まって咲きますので、遠くから見ると大きな花が咲いているように見えます。
薬用としては、木枝を乾燥したものは、打撲・捻挫・汗疹・神経痛・便秘・浮腫みの薬になります。若芽は有名な山菜で、天麩羅にして食しますが、美味しいので食べ過ぎると、薬効が強すぎて下痢を起こすそうです。ご注意を!。



「サルトリイバラ(猿捕茨)」の花
山野に生える蔓性の落葉低木です。棘があるので、この名が付いたらしいのです。花は地味ですが、秋に着く赤い実は美しく、けっこう目立ちますね。



「ミツバアケビ(三葉木通)」の花
お馴染みの、山野に生える蔓性の落葉木本です。5枚葉のものを、ただ「アケビ」と云い、3枚葉のものを「ミツバアケビ(三葉木通)」と呼んでいます。花の形や色に違いがあり、果実も大きさや形が異なります。また、両種とも花の大きい方が雌花で、小さいほうが雄花です。
果肉は黒い種が多いので少々面倒ですが、甘くて美味しいですね。子供の頃、戦後の食料の少ないときに、一日中、山に入り込み、面倒なので種ごと食べた思い出があります。その結果は、排便が真っ黒(失礼!)になり、????でした。
若芽は山菜として、お浸しなどにして食します。薬用としては、茎・果実ともに、内臓の熱を取り出し、利尿にも効果があると云われています。
また、茎は丈夫なので、籠などの材料として利用されており、無駄の無い植物として重宝されています。


参考写真:こちらは、5枚葉の「アケビ(木通)」の花です。



タチツボスミレ(立坪菫)?」の花
山地の林縁や道端などに生える多年草です。「スミレ属」の中では、一番多く見られる種かも知れません。花の咲き始めの頃は、あまり高く伸びず、終わり頃には数十cmもの高さになります。花色は淡紫色、距は細いと云われていますが、「オオタチツボスミレ(大立坪菫)」と見分けがつき難く、観察者泣かせの「スミレ」です。



オオタチツボスミレ(大立坪菫)?」の花
低地から山地の林縁などに生える多年草です。「タチツボスミレ(立坪菫)」よりも少し大型で、ほぼ同じ環境に育ちます。花色は淡紫色、距は白色に近く、茎は太くて長い、と、云われていますが、なか、なか、区別がつかない、これが本音です。



ウラシマソウ(浦島草)」の花
海岸から低山地にかけての林縁などに生える多年草です。この仲間は花穂を “ 仏炎苞 ” と呼ばれる、独特のもので包んでいます。その中で、「ウラシマソウ」は、花穂の先から長い糸状の髭のようなものを伸ばしていて、これを “ 浦島太郎 ” の魚釣りの釣り糸に見立て、この名が付きました。いつ見ても、変わった形をしている、興味深い植物だと思いますね。



キュウリグサ(胡瓜草)」の花
野原や道端などに生える2年草です。茎の上部に淡青紫色の小さな花(直径2mmほど)を着けますが、拡大してみると、「ワスレナグサ(勿忘草)」に似た美しい花です。葉を揉むと「キュウリ(胡瓜)」のような匂いがするので、この名が付きました。私も嗅いで確かめてみました。



ミヤコグサ(都草)」の花
草地などの日当たりの良い場所に生える多年草です。茎を地面に這わせて増える、マメ科植物のなかまです。京都の周辺に多くみられるので、この名が付いたらしいのですが?。鮮やかな黄色の花が美しいですね。



ハハコグサ(母子草)」の花
道端などに生える越年草です。名の由来は、果実の冠毛がほうけ立つので「ホオコグサ」と呼ばれ、それが転訛したとも云われていますが、定かではないようです。
万葉時代からの“ 春の七草 ” の一つで、「オギョウ(御形)」と云われてきたのは、この種です。
薬用としては、痰の多い咳止めに薬効があるとされています。
ちなみに、これに対して「チチコグサ(父子草)」と云う似た種もありますが、こちらは全体に小ぶりで、花も地味で、薬効もありません。何で?、と、思いますが、 “ 母の日 ” と “ 父の日 ” の関係のようなもの、でしょうかね?。



コオニタビラコ(子鬼田平子)」の花
水田や水辺に生える2年草です。単に「タビラコ(田平子)」とも呼ばれています。 この仲間は、日当たりの良い時だけ花を開かせるようです。
この種も万葉時代からの “ 春の七草 ” 一つ、「ホトケノザ(仏の座)」と云われている植物で、葉は「タンポポ(蒲公英)」によく似ています。若葉は「タンポポ」同様に食べられます。



オニタビラコ(鬼田平子)」の花
道端などに生える1〜2年草です。「コオニタビラコ(子鬼田平子)」の仲間ですが、全体に大きく、茎が長く伸びるので、この名が付きました。
花茎は成長すると四方に広がりますが、花の咲き始めは、一塊りの面白い姿をしています。



ノゲシ(野罌粟)」の花
普通に見られる、道端などに生える2年草です。秋に淡いクリーム色の花が咲く「アキノノゲシ(秋の野罌粟)」に対して、「ハルノノゲシ(春の野罌粟)」とも呼ばれています。



オオジシバリ(大地縛り)」の花
田圃の畦など、やや湿った場所に生える多年草です。丸い葉の「「ジシバリ(地縛り)」の仲間ですが、こちらは葉が細長く、花が大きいことから、この名が付きました。



ヘビイチゴ(蛇苺)」の花
田圃の畦など、日当たりの良い湿った場所に生える多年草です。蛇が出そうな所を好むために、この名が付いたようです。名前からの印象なのか、一般的に毒草だと思われていますが、毒は無く、花は可憐で美しく、赤い果実は食べられるそうです。私は食べたことがありませんが、経験者の話では旨くないそうです。



「ツクシ(土筆)」の胞子
日当たりの良い、土手などに生える羊歯植物「スギナ(杉菜)」の胞子茎です。「スギナ」は浮腫み・咳に薬効がある薬用植物ですが、「ツクシ」は山菜として灰汁(アク)抜きし、佃煮などにして食べます。我が家でも、よく食卓を飾りました。少し苦味があり、美味しいのですが、手間がかかるので暇がないと少々面倒です。



< 野 鳥 >

「 トビ」
里山の上空を番(ツガイ)と思われる2羽が、盛んに獲物を探していました。付近の高い木の上で、子育てをしているようでした。



< 小動物 >

ニホンアマガエル



「キハダカニグモ」



< 昆 虫 >

スジグロシロチョウ



「ツマグロオオヨコバイ」



「?」の幼虫?