[ふなばしアンデルセン公園]の昼に活動する “ 雀蛾 (スズメガ) ” 3種 +1種

日本列島を縦断し、各地に大きな被害をもたらした台風15号、翌日は荒れ狂った暴風雨が嘘のように、爽やかな秋日和となりました。我慢をしていた自然界の生物たちも一せいに活動します。[ぶらり自然観察人]としては、東日本大震災のときと同じように、何となく被災された方々に申し訳ないような気持ちになりながら、生き物たちの誘惑?に乗り自然散策に出かけることにしました。
立ち寄った[ふなばしアンデルセン公園]の花壇でも、予想通り、多種多様な昆虫がたくさん飛び交い、普段にはなかなか見る機会が少ない昆虫にも出会うことが出来ました。その中で日中に活動する蛾、「スズメガ科」の仲間で主な種類3種を同時に撮影できましたが、このような機会は滅多にないので、大変ラッキーな一日でした。
この蛾を見た人は、ほとんどが蜂だと云うそうです。現に撮影中に通りがかった親子連れも「あれ、蜂じゃないのぉ?‥‥」とか「○○ちゃん、あの蝶の名前しってるぅ?‥‥」とかで、蛾だと云う人は一人もいませんでした。
これらの蛾3種ともに花から花へ飛び回り、翅を超高速で羽ばたかせてホバリングし、ゼンマイ状に丸まったストローのような長い口を伸ばて起用に吸蜜をします。羽ばたきと移動が速いので、この時は1/1、000秒より速いシャッターを切り撮影しましたが、カメラのシャッタースピード被写界深度の組合わせに迷いますねぇ。


「オオスカシバ」
この蛾は、翅が透明なので「スカシバ」と名づけられました。羽化後、直ぐに翅を動かして燐粉を払い落とし、透明になります。この個体は羽化してあまり日数がたっていないらしく、翅や体色が綺麗ですねぇ。このような写真が撮れて、満足!、満足!!。
寒冷地には生息していないようです。成虫の開帳幅(翅を広げた寸法)は6cm前後、活動時期は6〜9月に2回、幼虫の食草はクチナシ




「ホシホウジャク」
この種は体・翅ともに茶褐色で「オオスカシバ」ほど美しく見えないのですが、前翅は地味ながら豊かな色模様、後翅の付け根が綺麗な黄色なのです。羽ばたきが速すぎて確認できないのが残念。腹の脇に黄色い斑点があるので「ホシ」と名づけられたのでしょう。
日本全土に生息しているようです。成虫の開帳幅は6cm前後、活動時期は7〜11月に2回、幼虫の食草はヘクソカズラ




「ヒメクロホウジャク」
この種も翅は茶褐色、上記の2種より一周りほど小さく、腹の後部が黒いので「ヒメクロ」と名づけられたのでしょう。尾部先端近くに目立つ白い横帯が一本あるので区別がつき易いですねぇ。
この種も日本全土に生息しているようです。成虫の開帳幅は4cm前後、活動時期は5〜10月に2回、幼虫の食草はヘクソカズラなど。



後日追加:「ホシヒメホウジャク」
9月上旬、[ふなばしアンデルセン公園]に訪れました。「オオスカシバ」と「ヒメクロホウジャク」は見られませんでしたが、複数の「ホシホウジャク」が花壇の花から花へと飛び交っていました。その中に混じって、「ホシホウジャク」に似ているが、一回り小型で脇腹に黄色の斑紋のない「ホウジャク」の仲間らしい蛾が一匹見られ、これはラッキーと思い写真撮影を開始しました。撮影中にどこかへ飛んでいってしまい、種類を特定できませんでしたが、後で調べてみると「ホシヒメホウジャク」でした。蛾の名前は似たようなものが多くて混乱しますねぇ。
日本全土に生息しているようです。成虫の開帳幅は3.5〜4cm、活動時期は6〜11月に2回、幼虫の食草はヘクソカズラなど。


参考写真:後日、建物の天井に止まっているところを撮影しました。翅は飛んでいるときにはピンと伸びていますが、止まって休んでいるときは枯葉のように縮れていて、自然の中では見つけ難いのです。