船橋北部周辺の美しい甲虫 「ヤマトタマムシ(別名:タマムシ)」と国宝(世界文化遺産)「法隆寺の玉虫厨子(ずし)」

3日前の人間バーベキューができそうな日、半月ぶりに「ふなばしアンデルセン公園」まで自然散策の足を伸ばしました。このような暑い日は昆虫たちも日陰で休んでいるらしく、私のように炎天下をフーフー云いながら出歩かないようです。目ぼしい収穫がないので、帰ろうかと公園の出入口近くで思案しているときに、青い空をバックに甲虫らしきものが金色に輝きながら飛んできました。「近くの木に止まってくれっ!」と念じたのですが、虫は無視?して公園の外に出て行ってしまいました。「コガネムシ」にしては胴が長く大きかったので、何だったろうかと、少々未練が残ったのです‥‥ね。
同公園の隣に「農業センター」があります。門前を通りかかったとき、突然、光るものが空から降りてきて、門脇の丸坊主に剪定された、樹木の幹の裏側に止まったのです。無断で中に入るわけにもいかず、今日2度目の思案をしながらフェンス越しに眺めていたましたら、幹を半回りしてヒョコッと顔を出してきました。実物は初めて見るまことに美しい甲虫で、ひょっとしたら「タマムシ」では?、少し遠いなぁ‥、などと考えながら動きに合わせて4〜5枚の写真を撮りましたが、また、木の裏側に隠れてしまいました。
帰宅してから色々と調べてみると、やはり「タマムシ」で、私の四十数年来の謎々を解き明かしてくれることにもなったのです。それは、奈良県斑鳩町にある世界最古の木造建築で有名な、国宝(世界文化遺産)「法隆寺の玉虫逗子(ずし)」の台座(だいざ)透かし彫り金具下に埋め込まれた昆虫の翅と同種のものであること、翅の美しい光沢は数種類の金属成分が含まれているためであること、そして、私の一番疑問だったことは、生身の生物が長い年月、腐蝕や虫害などに耐えられたことですが、翅に金属の成分が含まれていれば可能かも知れないと、納得しているところです。1,400年前の聖徳太子の時代に遡って、思いを馳せるのも楽しいこと‥‥です。


「ヤマトタマムシ(別名:タマムシ)」
光線の具合がよくないので本当の美しさが出ていません。残念!。体長は35mm前後、成虫の活動時期は6〜9月、幼虫はサクラ・ケヤキなどの枯れ木を食する。


※後日追加写真(8月1日に撮影しました)


※後日追加写真(8月6日に撮影しました)



国宝(世界文化遺産)法隆寺の玉虫厨子(ずし)」
参考写真:昭和12年(1937年)、飛鳥園発行 日本美術史資料より


「アカガネサルハムシ」
参考写真:この甲虫と「ヤマトタマムシ」は直接的な関係はありませんが、私の撮影した写真の中で光り方が一番似ているので掲載しました。「ヤマトタマムシ」の方が格段に美しいとは思いますが‥。
体長は7mm前後、成虫の活動時期は5〜7月、幼虫はノブドウの葉などを食する。