船橋北部周辺の美しい蛾 (ガ) 4種 「ヒロバツバメアオシャク」&「ウスキツバメエダシャク」・「クロオビノメイガ」&「ワタノメイガ」

そろそろ梅雨明けも間近ですが、近年来の梅雨はシトシト降る雨ではなく、各地では集中豪雨による水害が頻繁に発生しています。地球温暖化による気象異変が原因とも云われていますが、人の生活だけではなく、自然環境にもどのような影響を与えているのでしょうか?。
5月下旬に入ってから、ミリメートル単位の小さな生物の観察を始めました。その一つが「蛾(ガ)」なのです。「蛾」と云うと一般的にはあまり良い印象がありませんね。その理由は何でしょうか?。毒虫だから(毒を持っているのは極一部)、農作物や園芸植物に被害を与えるから(動物・鳥・他の昆虫なども同じ)、夜に活動する虫だから(昼に活動する種もある)、毛虫(幼虫)がグロテスクで嫌いだから、などなど色々でしょう。私も同様の理由から敬遠していたのですが、今は「ちょっと待てよ、よく見て、知ったうえで‥」という気持ちです。最近撮影した美しいデザインの翅を持った4種を取り上げてみました。また、謎が増えてきたようです!?


「ヒロバツバメアオシャク」
「シャクガ科」の幼虫は、一般的にはお馴染みの「尺取虫」と呼ばれています。「ヒロバツバメアオシャク」の仲間の成虫は尾状突起が長く、鳥類の「ツバメ」の尾羽のようにみえることから「ツバメアオシャク」と名付けられました。
開帳幅(翅を広げた寸法)は35mm前後、体全体が緑青色をしており、前後翅にわたり白色のジグザグした細い横線が一本通っています。翅の先端には白い縁取りがあり、簡素なデザインを引き締めています。蛾は何かに止まるときは、必ずといってよいほど丈の低い草葉の裏側など、暗い場所に逆さにぶら下がります。写真撮影には真に厄介ですが、この種は保護色に自信があるらしく、大振りの葉表に止まるので苦労しなくてもすみます。


「ウスキツバメエダシャク」
この蛾も前記と同じ「シャクガ科」の仲間です。
開帳幅は40mm前後、体全体が白色をしており、前翅には2本、後翅にも1本、茶褐色の太い縦線があり、全体に細長い小さな無数の斑と、尾状突起の傍に濃い色の斑点2個があります。翅の先端にも茶褐色の縁取りがあります。この種も草の葉などの裏側に止まりますが、大きいために葉からはみ出していて見つけ易く、動きも鈍いので裏返しにして写真を撮りました。


下の写真の蛾、2種は「メイガ科」に属します。藪を掻き分けると、あちこちから小さな姿や色のゴミ(と、云うとちょっと可愛そう?)のような昆虫が飛び立ちます。その中にこの種の蛾が多くいて、直ぐに草葉の裏側に止まるので蛾だと分かるのです。地に顔を着けるようにして覗き込み、観察しながら写真を撮ろうとするのですが、常に止まったところが低すぎるのと、周りの草が邪魔をして、うまくいきません。そのうえ、「ヤブカ」の攻撃も半端ではなく、途中で諦めざるを得ないことも‥‥、と、少々愚痴っぽくなりましたね。
この写真はフラッシュを焚いて撮影したものを、パソコンに取り込み、拡大画像にして初めて美しいデザインが確認できました。手指の爪ぐらいのサイズの中に、このような豊かな模様と色彩が込められていようとは!、そして、その必要性は?、と、問いがいっぱいになりましたね。
2種ともに、開帳幅は25mmぐらい、初夏から初秋にかけて発生します。
「クロオビノメイガ」


「ワタノメイガ」