“ ぶらり自然観察人 ”  北総の里山へ!  (パート8)

今日は、S町西側の里山へ訪れました。この周辺の自然観察は3度目ですが、今回からは具体的な地名等を記すことは止めにしました。
先週末にN市の某高校へ “ 蝶の生態館 ” の見学に行ったとき、ボランティアの方から教示を受けたことは、希少植物の盗掘は私が考えていた以上に酷いようです。性質の悪いマニアなどは、動植物の採取を禁止されている自然公園の中でも、採っているところを注意されて、恥じも感じないようです。そして、情報を手にすると執念深く捜しまわるので、あまり情報公開はしてほしくない、との事でした。私は盗掘される前の保護運動が重要だと考えていたのですが、趣味への欲望と執念は桁外れのようです。
うーん、困ったなぁ、残念だなぁ、と、云うことで取り合えず、地名記載は大雑把に、そして、最小限にすることにしました。
某高校の記事については、責任者の先生のご了解、または、公開情報の範囲で、近日中に記事にしたいと思っています。



< 野生植物 >

カキツバタ(杜若・燕子花)」の花
山野の湿原などに生える多年草です。田園地帯の湿地に群生していました。一見して「ノハナショウブ(野花菖蒲)」によく似ていますが、花弁に微妙な違いがあります。特に外花被片と呼ばれている花弁の基部に、黄色い筋があるのが「ノハナショウブ」で、白い筋のものは「カキツバタ」です。写真のものは、その筋が白色に近い淡い黄色をしていますので、迷いましたが、中には黄色いものもあるそうなので「カキツバタ」と特定しました。



「アヤメ(菖蒲・文目)」の花
山野のやや湿った草地などに生える多年草です。なかなか見分けや優劣がつかない事を、 “ 何れが菖蒲か杜若 ” と云う例えがありますが、外花被片と呼ばれている花弁基部の模様が「カキツバタ」とは全く違いますし、やや湿気の少ないところに生育します。写真のものは、田圃の土手に生えていました。私としては 、喩えを“ 何れが菖蒲か野花菖蒲 ” と変えたいのですけどね。



ユキノシタ(雪の下)」の花
山地の湿った岩の間などに生える常緑の多年草です。葉が雪の下になっても元気に残るので、この名が付きました。数が少ないので希少植物に加えたいところですが、あまりマニアに人気がないためか、今のところ盗掘は免れているようです。
山菜として、若い葉をテンプラにして食します。葉を摘み採るときはナイフ、または、ハサミを使用し、根を引き抜かないように、1枚づつ丁寧に切り取ります。また、各株の葉は保全のために半分は残して置きましょう。
薬用植物としては、葉は火傷・湿疹・小児の癇に薬効があります。



< 小動物・魚・鳥 >

シュレーゲルアオガエル
ニホンアマガエル」に似ているので、よく勘違いをしますが、目の周りに黒い模様がありません。水田の畦などに穴を掘り、卵を泡の中に生みます。古くからいる「カエル」ですが、個体数は少ないようです。細長い草の葉や茎に、何時もしがみつくように止まり、じっとしている姿が可愛いですね。

「メダカ か カダヤシ? & オタマジャクシ(ニホンアマガエル?)」
お馴染みの「メダカ」は日本古来の小魚ですが、「カダヤシ」はアメリカ原産で、蚊の幼虫(ボウフラ)を退治するために輸入されたと聞いています。「メダカ」は水質の悪化や、繁殖力の強い「カダヤシ」との生存競争で、今や日本全国で激減しています。一般には「カダヤシ」を「メダカ」と思っている人が多いようです。
この地は湧き水の多い所ですから、その傍の水溜りは農薬の被害が少なく、「メダカ」の生息は大いに期待できるし、「カダヤシ」に混じって生存しているという情報もあります。両者の違いは、真横から鰭を見ないと分かりません。



ハクセキレイ
何か獲物を捕らえたようです。「ミミズ」?、それとも「ドジョウ」?。



カルガモ」のツガイ
2羽並んで、私が何をするか横目で覗っています。



< 昆 虫 >

シオカラトンボ」のメス?
羽化したばかりのようです。昔から「ムギワラトンボ」と呼ばれ、雌雄ともに色模様が似ているので、区別が付きにくいのです。この写真の個体は、たぶん、雌だと思いますけどね。



「シオヤトンボ」のメス
この「トンボ」も羽化したばかりのようです。雌ならば、成長すると明るい灰色の部分が黄色に変わるのですが‥‥。



ジャコウアゲハ」のメス
この蝶の幼虫は「ウマノスズクサ」という臭気の強い、珍しい植物を食草にしています。雄の翅は黒色に赤い斑があります。成虫は、この辺りでは春から夏の終わりにかけて活動しますが、元は南方出身で、沖縄では1年中見られます。。麝香(じゃこう)の匂いを出すので、「ジャコウアゲハ」と名付けられました。体内に毒を蓄えているとのことですが、匂いと関係があるのでしょうか?。
里山の集会所周りで、雌雄が2匹、雄は雌の気を引こうと飛び回り、雌は素知らぬ顔で「ツツジ」の花に潜り込み、吸蜜を続けていました。



「テンクロアツバ」
蛾の一種です。



「ツマグロハナカミキリ」
体長10mmほどの「カミキリムシ」の仲間です。



クロウリハムシ
体長7mmほどの「ハムシ」の仲間です。



ヨモギハムシ」
体長8mmほどの「ハムシ」の仲間です。



「ヒシバッタ」
体長10mmほどの「バッタ」の仲間です。