“ ぶらり自然観察人 ”   落ち葉のコンチェルト・春を告げる山野草

今年も残り僅か、里山を彩った草木の紅葉(黄葉)の殆どが葉を落とし、寒い季節が到来しました。“ 少し気が早すぎる ” と云われそうですが、麗らかな春が待ち遠しくなります。若い頃は “ 冬があるから春が来る ” 程度にしか理解していなかったようですねぇ。
今は、四季のある国に生まれ育ち、生活しているお陰で、自然の喜びと生命を感じることができるのだ、と、考えられるようになりました。
早々と花を咲かせ、春の訪れを告げる山野草がありますが、その中でも、私に大きな感動を与えてくれた「セリバオウレン(芹葉黄連)」を思い出しました。多分、この植物の自生種は、絶滅危惧種並みの希少植物でしょう。私の残りの人生で、他の場所ではもう出会うことは無いかもしれません。


「セリバオウレン(芹葉黄連)」
山地の樹林内に生える「黄連(オウレン)」の仲間で多年草です。黄色い根が伸びて連なることから「黄連(オウレン)」と名付けられました。また、この種は葉が「芹(セリ)」に似ているので「セリバオウレン」と云われています。根は10年間に5〜6cm程度しか伸びないので、広く繁殖はできないようです。漢方薬にも利用されていますが、野生のものは採らないようにしたいものですね。

※真冬(2月)に、清楚で可憐な花が咲いていました。


※早春(3月)に、線香花火のような美しい実を付けていました。



このところ、続けて紅葉(黄葉)を取り上げてきましたが、ふと、子育てまっ最中の頃に創った詩を思い出し、締めくくりに使ってみました‥‥如何でしょう?。
< 落ち葉のコンチェルト >  ぶらり自然観察人


落ち葉は踊る  光の舞台で
五色の衣装   ヒラヒラヒラと
左に右に


           落ち葉は歌う  風の伴奏で
           混声合唱    サラサラサラと
           高く低く


落ち葉は跳ねる  大地の上で
虫と戯れ     カサカサカサと
上に下に


           落ち葉は遊ぶ  空の遊園地で
           鬼ごっこ   鬼さんこちら
           葉の鳴る方へ


風は自然のコンダクター
           落ち葉は自然のオーケストラ
風に木霊す幼子の声
           落ち葉に煌く腕白な瞳


      子らに永久の光を
      命に永遠の安らぎを