“ ぶらり自然観察人 ”  船橋北部の一日 ( パート5 )

彩の秋は間もなく終りになります。自然観察も落ち葉と共に一年間の節目、これからはモノトーンの世界がやってきます。この秋は主に “ 草の実・木の実 ” の観察に取り組んでみましたが、自然界の奥の深さには “ 目から鱗が落ちる ” と云う諺を再確認することになりました。今年の “ 草の実・木の実 ” の観察記事は、これが最後になるでしょう。これから、また、1年の始まりでもあります。たくさんの冬鳥がやってくるでしょうが、何か別のテーマにも取り組めないか、と、思案をしています。しかし、今日はクレッションマークが多いなぁ‥‥。


自然観察1年間の感想
“ 自然 ” とは何でしょうか?、どこまでの範囲を表すのでしょうか?、生命のあるものに大被害をもたらす、大地震は、火山噴火は、台風は、大洪水は、これら地球規模の現象も、ただ、 “ 自然 ” といえるのでしょうか?。
福島第1原発放射能汚染は、気象変動による被害は、天災?、人災?。
人智の及ばない現象を “ 大自然 ” とか、 “ 超自然 ” とか 呼ぶ場合もありますが、それでは、地球は?、月は?。星は、太陽系は、銀河系は、‥‥‥、宇宙は、と区別がつかなくなってしまいますね。
どうも人間は、平凡で平和な生活が一番幸せ、と云いますが、それが長く続くと、何か変わったこと、刺激のあることとか、珍しいものとか、変化を求めるようです。
この数年、自然観察を続けてきて思うには、絶滅種や絶滅危惧種の多いこと。身の周りの植物や生物が、何時も普通にあり、求めたときに普通に見られる環境が、一番幸せなのではないかと、この年齢になって、やっと、強く感じるようになりました。
良好な自然環境の復元と、政治の改革は大歓迎ですけどね。


「?の花」
散策途中で珍しい?花を見付けましたが、咲いていたのはこの2個だけ、これも季節はずれの花でしょうか?。名を調べましたが分かりませんでした。そうなると余計に気になりますねぇ。



「?の実」
これは農野菜の「ウリ」の一種が野生化したものではないでしょうか?。以前に農園をやっている人から、品種名を聞いたことがありますが、忘れてしまいました。野菜をつくっている人には常識かもしれませんねぇ。黄色く色づいた実が、陽光を浴びて輝いていました。



「ヒメザクロの花と実」
「ザクロ」は小アジア原産の落葉小高木ですが、「ヒメザクロ」は観賞用園芸品種に改良したものだそうで、実の大きさは「ザクロ」の4分の1ぐらいでしょうか。花期は初夏のはずですが、果実の傍に花が咲いていました。意外と美しいのですねぇ。



ヒメリンゴの実」
「エゾノコリンゴ」と「イヌリンゴ(中国原産)」の交配種だと云われている落葉小高木です。観賞用として庭木や鉢植えとして植えられています。美しい実で美味しそうですね。



「ナツミカン?の実」
柑橘類の原産地は、インド北東部地方と云われています。日本では鹿児島県で数百年前に生まれた「温州蜜柑(ウンシュウミカン)」が最初のようですが、間もなく「紀州蜜柑(キシュウミカン)」も生まれました。「ナツミカン」は山口県が発祥地です。この写真の品種は「アマナツ」かもしれませんが‥‥?。



「トキワガキ(トキワマメガキ)?の実」
「マメガキ」は中国原産、雌雄異株の落葉高木で、日本には古い時代に渡来し、柿渋を採るために栽培されてきました。と、ここまではその通りなのです‥‥が。この写真の種は農家の庭にあり、葉形も、実も「マメガキ」の仲間に違いないのですが、どう見ても葉が常緑のようで青々しているのです。落葉しない柿、そんなものが在るのか、色々と調べてみると、主に伊豆半島以西の暖かい地方に産する、この一種だけのようです。迷いながらも「トキワガキ?」と云うことで落ち着きましたけどね。間違いなければ、この辺り(船橋北部)では珍しい品種なんですが‥‥。



「ワタの実」
いつもの散歩コースの一つに、狭いながらも趣味の農園があります。夏に通りかかったとき、数種の野菜の中に10株ほどの「オクラ」の花が咲いていました。と、思っていたのですが、先日の散策の途中に、白い綿状の実に気がつきました。 “ あっ!、これは「ワタ」だったんだぁ、しまったなぁ‥‥ ” と、云うのは、その時に撮影した花の写真を、廃棄してしまった事を思い出したからです。知らないと云うことは、こういう失敗をするのですよぉ。
「ワタ」は云うまでも無く、紀元前数千年の頃から、インドや南米で栽培されており、衣料などに利用する繊維になるほか、種子から油を、油粕は飼料や肥料にも利用されている重要な植物です。しかし、なんで綿の栽培を?、趣味かなぁ。



サザンカ(野生種)の花と実」
暖地の山地などに生える常緑の小高木です。写真のものは野生種で、晩秋の森の中でひっそりと花を咲かせていました。江戸時代頃から品種改良が盛んになり、多くの園芸品種が生まれ、庭・公園・垣根などに植えられています。種子は硬く、翌年の秋に熟します。



ウメモドキの実」
山地などの湿った場所に生える雌雄別株の落葉低木です。庭木や盆栽などとしても植えられています。この辺り(船橋北部)では少ないらしく、なかなか見つからなかったのですが、さすがに県民の森、大木の多い林の中で、隠れたように赤い美しい実を付けていました。



「センダンの実」
海岸近くに生える落葉高木です。伊豆半島以西の暖かい地方に自生していますが、温暖化の影響で北へ進出しているようです。この辺りには少なく、数本しか見ておりません。南房総にはたくさんあるようですが‥‥。実は熟すると黄色くなり、「ヒヨドリ」のような中型の野鳥の餌になります。
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※参考写真:「センダンの花」、春に撮影しました。



ネムノキの実」
山野の川辺など日当たりの良い場所に生える落葉高木です。夕方に葉を閉じて眠ったように見えるので「ネムノキ」の名がつきました。初夏に淡紅色の幻想的な花を咲かせますが、旅情と云うか、慕情と云うか、懐かしい思いを呼び覚ますので、よく詩に詠み込まれていますねぇ。実は美しいとは云えませんけどね。



「アマドコロの実」
山野の林縁などに生える多年草です。「ナルコユリ」とよく似ており、愛好家でも混乱することが多いようですが、「アマドコロ」は茎が四角形をしていますので区別がつきます。新芽は山菜として利用され、甘い味がするので、この名が付きました。


※参考写真:「アマドコロの花」、今年の春に撮影しました。



オナガ




ジョウビタキ(オス)」



「モズ(オス)」