“ ぶらり自然観察人 ”  船橋北部の一日 ( パート2 )

11月も半分が過ぎ、天候も回復してきました。私の体調(体内時計)も、それに合わせたのかのように調子が良くなってきましたので、“ 自然観察虫 ” のご意見を取り入れ活動し始めました。この辺り(船橋北部)も間もなく紅葉の季節、虫たちの活動は終りに近づいてきましたねぇ。勃々と冬鳥の姿が見え始め、自然観察は別な楽しみが待っています。


「ウシ(乳牛)」
この牧場は散策コースの途中にあり、何時も牛たちには出会っているのですが、一箇所に集まっているところを見るのは初めてで、ちょっと面白い場面なので写真を撮り始めました。学校帰りの自転車に乗った女子高校生が2人、声をかけてきました。以下その時の会話の一部です。
「おじさん!(子供たちには、まだ “おじさん” と呼ばれていますがねぇ)、ここの人ぉ?」、「違うけどぉ」、「何してんのぉ?」、「牛が集まっていて面白いから、写真撮っているんだよぉ」、自転車を降りて近づきながら「ほんとだぁ、すごいー!」、私のそばまで来て「(牛は)何しているんですかぁ?」、「分からないけど、皆で遊んでいるんじゃない、牛に聞いてみなぁ」、「ぎゃっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ‥」。奥の方から牛が2頭、駆け足でこちらに近づいてくるのを見て「わぁ、ちょっと怖ぁい!」、柵の周りに張ってある電線を指差して「これって、電流を流しているんですよねぇ(よく知っているねぇ)」、「柵が低いから、そうだと思うよぉ、触らないほうがいいなぁ、追いかけてくるかもよぉ」、「‥‥‥(黙っている)」。などと、云いながら撮影が済んだので退散しましたが、女子高校生は散歩で通りがかった、会話を笑って聞いていた人と一緒に観察を続けていました。



「バショウの花と実」
中国原産の多年草です。これが草の仲間だとは!、全く知りませんでした。余談ですが、「バショウ」とそっくりな、お馴染みの「バナナ」もインド原産の多年草だそうです。木の幹だと思っていたのは偽茎と云われ、葉鞘が何枚も絡まって立ち上がったもので、上部に幅の広く長い葉が開きます。株が成熟すると、バネのような蛇腹状の長い花茎の先端に、花と大きな果実をつけます。殻斗のような物のなかに黒い種子が多数入っているそうで、花茎の付け根に「バナナ」に似た実が見えます。



「アスパラガスの蕾?」
ヨーロッパ原産の多年草です。主に寒い地方で栽培され、春に出る新芽は野菜として食用にされています。細長い葉のように見えるのは、枝が変化したしたもので、本当の葉は鱗片状に退化して、よく見えなくなってしまったようです。秋には赤い球形の実をつけますが、どういう訳か白い蕾らしいものがぶら下がっていました。



キンカンの実」
中国原産の常緑低木です。日本には江戸時代以前に入ってきたようですが、今では多く栽培されていますねぇ。寒い地方では育たないようです。果実は風邪・咳などに効用があり、古くから使用されてきました。



カラスウリの実」
林縁や藪の中でよく見られる雌雄別株の蔓性多年草です。私のブログ、8月22日付けの記事[船橋北部周辺の動植物 “ 体内時計 ” 小考]でも取り上げましたが、花と実が美しく、それにも増して生態が興味深いので、常に気になる植物です。この種類の他、「カラスウリ」の仲間には、実が熟すると黄色くなる「キカラスウリ」、暖地に生育する「モミジカラスウリ」があります。根・果実は薬用に利用されています。



「ウツギの実(別名:ウノハナ)」
山野などの日当たりの良い場所に生える落葉低木です。漢字で書くと 「空木」ですが、木の中が空洞になっているので、この名がつきました。別名「卯の花」で知られている、香りのよい花が咲くので庭木としても愛でられていますが、今でも畑の境界としても植えられていますねぇ。材はやや硬いので、楊枝や木釘に利用されています。


※参考写真:「ウツギの花」今年の春に撮影しました。八重咲きで花弁の外側が淡紅色のものを「サクラウツギ」と呼んでいます。



「クズの実」
山野などの何処にでも生える、繁殖力の旺盛な蔓性の多年草で、農家などでは少々厄介ものですが、“ 秋の七草 ”の一つで、古い時代から風流人には愛でられています。根から葛粉(くずこ)が採れるので有用植物でもあり、「クズ」の名は葛粉の産地、奈良県の “ 国栖(くす) ” に因むと云われています。根・花・葉は薬用に利用されますが、特に根は風邪薬で有名な漢方薬 “ 葛根湯 ” の主な原料です。


※参考写真:「クズの花」今年の夏に撮影しました。



「コブシの実」
山野に生える落葉高木です。純白の美しい花は「ハクモクレン」と混同され易いのですが、見た目には一回り小さいですねぇ。この辺り(船橋北部周辺)では大木が多く自生し、春の新緑前には見事な風景となります。それに引きかえ、秋の実は赤色から灰褐色に変わり、何んと地味なこと、グロテスクな印象さえ持ちますねぇ。


※参考写真:「コブシの花」今年の春に撮影しました。



「ズミの実」
山地などの日当たりの良い場所で見られる落葉小高木です。花は小さいが紅色を含んだ桜の花に似ていて美しいので、観賞用として庭にも植えられます。名の由来は、樹皮を染料や絵具に使用することから、 “ 染み ” が変化したと云われています。



ナンテン と シロナンテンの実」
山野などに自生する常緑の低木です。雌雄同株の常緑高木です。古くから庭などにも観賞用として植えられ、生け花にも利用されてきました。5〜6月に多数の小さな白い花が円錐形状に咲きます。秋には球形の赤い実がつきますが、園芸品種には白い実のものもありますねぇ。



「ハンノキの実(別名:ハリノキ)」
湿った平地などに生える落葉高木です。花は2〜3月ごろ葉に先駆けて、黒褐紫色の雄花の下に紅紫色の白花を咲かせます。実(果穂)は松毬(まつかさ)を小さくしたような形状をしており、翌年の春まで残っています。春先の他の餌が無くなる頃、野鳥が食べているところを見ますが、あまり美味しそうではなさそうですねぇ。染料として利用されていますので、人間の役に立っているのですが‥‥。



「ヒノキの実」
山地などに生える日本特産の針葉樹で、高さは50mにもなる常緑高木です。古代から「スギ」とともに、最も重要な木材として利用されてきました。あまりにも身近な樹木なので、一般には見過ごされているようですが、サッカーボールを小さくしたような、実の形が面白いと思いませんか?。



「マルバシャリンバイ?の実」
主に海岸に生える常緑小低木ですが、よく庭や公園などにも植えられています。これも南方系の照葉樹なのでしょうか?。葉が車輪状につき、花が梅に似ているので、この名がつきました。種類の特定が難しいので、葉を持ち帰り調べたのですが、少し短く丸いので「マルバシャリンバイ」にしました。同じ仲間の「シャリンバイ」かも知れませんねぇ?。



ヤマブドウの実」
山地の林縁などに生える蔓性の落葉樹です。探していて、やっと見つけられたのですが、幸いにも実が鈴なりになっていました。11月12日付けの記事に載せた「エビヅル」によく似ていますが、葉も実も少し大型です。黒紫色に熟した実は、ジャムやジュースとして利用されていますが、そのままでも食べられます。写真撮影後に試食しましたが、栽培品種の「ブドウ」よりも甘味が濃くて美味しく、子供の頃の思い出が甦ってきて、嬉しい気分に浸っていましたねぇ!。数房を切り取り家に持ち帰りました。薬効があるので漢方薬にも使用されています。



「ヤマモミジ?の実と紅葉」
主に日本海側の山地に生える落葉高木です。「カエデ」や「モミジ」の仲間は多く、よく似たものもあるので見分けが難しいのです。「ヤマモミジ」としたのは、葉が「イロハカエデ」より大きく、「オオモミジ」よりも小さいと思ったので特定したのですが、ちょっと自信がないのですねぇ?。3種の葉を並べて比較できればよいのですが‥‥。



ジョウビタキ(オス)」
今秋、初めて出会いました。 “ 暫らくぶりです! ” 。いつ頃から来ていたのでしょうか?。



コサギダイサギ(冬型)」
コサギ
この辺り(船橋北部)では一年中見られますので、特に珍しくはないのですが、つい写真を撮りたくなる鳥ですねぇ。嘴は一年中黒色です。


ダイサギ(冬型)」
やはり、この鳥も一年中見られまるのですが、どうしてか、いつも「コサギ」を引き連れています。体が大きいので親のつもりなんでしょうかねぇ?。嘴が黄色くなっているので、冬支度が済んだのでしょうか?。


※参考写真:「ダイサギ(夏型)」
大きくて首の長い方が「ダイサギ」で、嘴が黒色です。


※参考写真:「チュウサギ(冬型)」2年前に撮影しました。
コサギ」がいて「ダイサギ」がいれば、当然「チュウサギ」も、と、云うことになりますが、この辺り(船橋北部)では、なかなか出会うことができません。全国的にも個体数は少なくなっているようです。何が原因なんでしょうかねぇ?。嘴は、夏型は黒色、冬型は黄色になります。



ヤマトシジミ
日本の蝶では一番小型の部類ですが、成虫で越冬しない種では一番長く活動をしています。太陽光で石が温まっていて気持ちが良いのか、数匹が日向ぼっこをしていました。談合しているようにも見えませんかねぇ?。