船橋北部周辺の珍しい蝶 (チョウ) 「 クロコノマチョウ (名は後日に判明) 」

9月17日の午後、まだまだ残暑が厳しい中、船橋北部の市民の森に出かけました。あまり暑いので自然散策コースの距離をいつもの半分に短縮、普段の逆回りで市民の森へ入ろうと思い、隣接する寺院境内の大木の繁った薄暗い塀に沿って進んで行くと、なにやら飛び回っている黒っぽい蝶のようなものが目につきました。「ヒカゲチョウ」仲間の一種だろうと見当をつけて目で追いかけました。大きさや飛び方は「クロヒカゲ(開帳幅5cm前後)」のようにみえますが、翅の表側・裏側ともに模様が見当たらず、ただ黒いだけで特徴がありません。
今まで実物も、図鑑でも見たことがなく、新種なら嬉しいなぁ‥‥いや、蝶は調査が行き届いているはずだから、新種ということはないなぁ‥‥などと考えながらカメラを構えました。


塀脇の地面に止まったので写真を撮り始めたのですが、暗すぎて個体を見つけるのがやっと、フラッシュを焚こうとセットしてみましたが、如何いうわけか不調、ただ、ただ、「ヤブカ」の攻撃を受けながらも、ブレないように息をとめて撮りました。どうにか一枚だけがみられる写真になりました。パソコンに取り込んでみると、暗いグレーの地色、後翅に小さな蛇の目が6〜7個(その内2個一対が一組)、どうやら前翅にも1個あるようです。


カメラのフラッシュが作動しないので、何とかもう少し良い条件で撮影したいと考え、明るいところへ追い立てました。運よく寺院の塀が光の反射で少々明るくなっている所に止まってくれ、数枚撮影しましたが、やはり一枚だけがまっとうな画像になりました。この蝶の地色は少し明るいところでは茶色系に見えますが、これは「ヒカゲチョウ」仲間の特徴を示しているのですがねぇ?‥‥。


追い立てに成功したので欲が出てきました。もっと明るい所へと思ったのですが、この蝶は絶対に光の中へは出ないと決めているようで、結局、市民の森の中へ逃げ込み、草葉に止まって2枚ほど写真を撮らせてくれましたが、私が鬱陶しくなったようで飛び去ってしまいました。


撮影しているときは夢中だったのですが、帰りは体を「ヤブカ」に刺されたところが猛烈に痒く閉口しましたねぇ。
この蝶は美しくも何んともありませんので、見る人によってはつまらないかもしれません。しかし、その後も色々と調べてみたのですが、納得できる種の特定はできていません。また、当分の間は気になる問題を抱えたようです。
お解かりの方は是非ご連絡しださい。


後日追記:このブログについて早速アドバイスをいただきました。よく調べた結果、この蝶は「クロコノマチョウ(夏型)」の雌らしい特徴を示していました。夏型は翅縁の突起が少なく、目立った模様がありません。秋型は大型(開帳幅7cm前後)で翅縁の突起が目立ち、模様も変化に富み、枯葉に似ています。特に夕方になると樹間を飛び回ります。
調べても分からなかった理由は、近年になって地球温暖化の影響により、暖かい地方にしか生息していなかった多くの種が北上を始めています。この蝶もその一種で、最近まで船橋北部周辺では見られず、まさか生息しているとは考えてもみなかったのです‥‥迂闊でしたねぇ。二つ目の理由は、常に図鑑に掲載されているものは秋型のタイプで、大きさ・翅型・模様が別種と勘違いするほど異なっていることでした。
地球温暖化は自然環境に多くの変化をもたらしていますが、自然界の植物や生物に良いのか悪いのか?、じっくりと考えてみたいと思っています。